2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

三尾公三コレクション|京都国立近代美術館

京都国立近代美術館4階のコレクション展コーナーの一室で、三尾公三(1923-2000)のミニ特集が組まれています(2022年度第3回コレクション展 7月22日〜10月2日)。 三尾が、現在同館で特別展が開催されている清水九兵衛(1922-2006)と親交があったことにちなんで…

「囚われの女」の音楽|シャンタル・アケルマン監督

今回の「シャンタル・アケルマン映画祭」で公開された5本の中で、とりわけ音楽が印象的に使われていた作品が、「囚われの女」(La Captive, 2000)、です。 シャンタル・アケルマン Blu-ray BOX II(『囚われの女』Blu-ray、『オルメイヤーの阿房宮』Blu-ray、…

帝室技芸員たちによる明治美術の清華

特別展 綺羅きらめく京の明治美術ー世界が驚いた帝室技芸員の神業 ■2022年7月23日〜9月19日■京都市京セラ美術館 鶴首していた展覧会です。 もっぱら明治期に絞り、京都にゆかりをもつ帝室技芸員たち19人を特集する企画展。 全国各地から逸品を取り寄せていて…

エマニュエル・デ・ウィッテの幻想空間

現在、天王寺・大阪市立美術館に巡回中の「フェルメールと17世紀オランダ絵画」展(2022年7月16日〜9月25日)では、修復論争で話題の「窓辺で手紙を読む女」だけでなく、フェルメールと同時代を生きた画家たちによる優品の数々を堪能することができます。 www.…

巨大画面で観たい「マルケータ・ラザロヴァー」

「マルケータ・ラザロヴァー」(Marketa Lazarová, 1967)が渋谷のシアター・イメージフォーラム他、各地のミニシアターで上映されています。 marketalazarovajp.com 約2時間45分、とにかく「ホンモノ」感が圧倒的なモノクロ超大作です。 監督はフランチシェ…

當麻曼荼羅と中将姫伝説|奈良国立博物館

貞享本當麻曼荼羅修理完成記念 特別展 中将姫と當麻曼荼羅 ―祈りが紡ぐ物語― ■2022年7月16日~8月28日■奈良国立博物館 (西新館) 圧倒的な情報量に頭がクラクラするような展覧会でした。 2018年から2020年にかけて実施された「貞享本 當麻曼荼羅」の修復作業…

「ラスキンの聖母」とエルスハイマーの「聖ステパノ」

スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち ■2022年7月16日〜9月25日■神戸市立博物館 greats2022.jp 先日まで東京都美術館で開催されていたスコットランド国立美術館展が神戸に巡回してきました。 全89点。 上野では93点でした。 以下の4作品が巡回…

アケルマンとディエルマンのモダニズム

「ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地」(Jeanne Dielman, 23, quai du Commerce, 1080 Bruxelles 1975)。 シャンタル・アケルマンの代表作です。 twitter.com ブリュッセルに暮らす、ある未亡人の三日間が200分の時間をかけて…

アンナの出会い|シャンタル・アケルマン監督

「シャンタル・アケルマン映画祭」で上映された「アンナの出会い」(Les Rendez-vous d'Anna 1978)を観てみました。 chantalakerman.foundation 映画監督の女性、アンナ(オーロール・クレマン)が、西ドイツからベルギー経由でフランス、パリに戻るまでの3日間…

オルメイヤーの阿房宮|シャンタル・アケルマン監督

各地のミニシアターで開催された「シャンタル・アケルマン映画祭」。 「オルメイヤーの阿房宮」(La Folie Almayer 2011)を観てみました。 chantalakerman.foundation 夜の川面とみられる情景に、「トリスタンとイゾルデ」の第1幕前奏曲冒頭(演奏はメータ指揮…

私、あなた、彼、彼女|シャンタル・アケルマン監督

「シャンタル・アケルマン映画祭」が各地のミニシアターで開催されました(主催はマーメイドフィルム)。 5作品。 いずれもデジタルリマスター版で、日本初公開なのだそうです。 twitter.com 「私、あなた、彼、彼女」( Je,Tu,Il,Elle)は、シャンタル・アケル…

検閲者の眼で観た「アンドレイ・ルブリョフ」

アンドレイ・タルコフスキー(1932-1986)の生誕90年を記念し、5月頃から各地のミニシアターで特集上映企画、「タルコフスキー、アトモスフェア」が開催されています。 eiga.com とっても当たり前のことですけれど、「生誕90年」ということは今年2022年、もし…

KOSUGI+ANDO「芳一」|兵庫県美「関西の80年代展」

現在、兵庫県立美術館で開催されている「関西の80年代」展(2022年6月18日〜8月21日)では、発表当時の展示を再現した大型のインスタレーションを、数点、観ることができます。 www.artm.pref.hyogo.jp KOSUGI+ANDOによる「芳一 物語と研究」は、1987年2月26日…

太田三郎の「災いと切手」|BBプラザ美術館

太田三郎展「人と災いとのありよう」 ■2022年7月5日〜9月11日■BBプラザ美術館 阪神・岩屋駅近くのBBプラザで太田三郎(1950-)の個展が開かれています。 この人の作品は東京国立近代美術館のコレクション展で代表作《Seed Project》シリーズを観たことがあるく…

鏑木清方と吉川霊華

京都国立近代美術館では、現在同館3階で開催中の「没後50年 鏑木清方」展(2022年7月10日まで)にあわせ、4階のコレクション展示室で清方ゆかりの作品や美人画を特集しています(こちらは7月18日まで)。 www.momak.go.jp 鏑木清方は1916(大正5)年、結城素明、平…

「玄奘三蔵絵」にみる幻想風景|藤田美術館の「水」

今年4月にリニューアル・オープンした藤田美術館。 当面、膨大な藤田コレクションの中から「曜」や「花」など複数のテーマを決めて逸品をピックアップし、数ヶ月単位で展示構成に変化をもたせながら、繰り回す方針をとっていくようです。 7月からは「水」と…

大成建設のル・コルビュジエ コレクション

調和にむかって:ル・コルビュジエ芸術の第二次マシン・エイジ― 大成建設コレクションより ■2022年4月9日〜9月19日■国立西洋美術館 新館1階第1展示室(常設展エリア内) シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ(Charles-Édouard Jeanneret あるいはCharles-Édouard…

イングマール・ベルイマン 日本最終上映3作

イングマール・ベルイマン(1918-2007)の没後15年にあわせ、各地のミニシアターが特集を組んでいます。 2018年、現在休館中の恵比寿ガーデンシネマ他で、監督生誕100年を記念し、まとめて代表作が上映されたことがありました。 今回はそれより規模が縮小され…