2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

本願寺展、ではない「親鸞展」|京都国立博物館

親鸞聖人生誕850年特別展 親鸞 ー 生涯と名宝 ■2023年3月25日~5月21日■京都国立博物館 京博の上杉智英研究員が、図録の中で、この展覧会の特色を端的に説明しているので、少し引用してみます(P.15)。 「本展では何よりも親鸞自身が親鸞を語るものとして、そ…

菊池芳文の「桜」 |京都市京セラ美術館

2023年3月の終わり。 岡崎公園周辺の桜が満開になりました。 一昨年と昨年はコロナの影響でこの辺りの花見客も少なかったのですが、今年は海外勢を含め、それなりの人出となっています。 さて、現在、京都市京セラ美術館では、常設展「コレクションルーム 20…

丸ごと細見美術館展|高島屋

開館25周年記念展京都 細見美術館の名品 ー琳派、若冲、ときめきの日本美術ー ■2023年3月22日〜4月10日■大阪髙島屋 7階グランドホール 岡崎の細見美術館が開館25周年を迎え、大阪・東京(日本橋)・名古屋の高島屋各店を巡る記念展が開催されています。 最初の…

津守秀憲と田村菜穂|京都市美術館「跳躍するつくり手たち」

特別展 跳躍するつくり手たち : 人と自然の未来を見つめるアート、デザイン、テクノロジー ■2023年3月9日〜6月4日■京都市京セラ美術館 20代から50代、新進から中堅どころのアーティストたち、合わせて20の個人及びグループによる近作を中心とした特別展です…

住友友純の洋画コレクション|泉屋博古館「光陰礼賛」展

企画展 光陰礼讃ー近代日本最初の洋画コレクション ■2023年3月14日〜5月21日■泉屋博古館 昨年、2022年春、リニュアールし名称も改めた六本木一丁目の「泉屋博古館東京」(旧名「泉屋博古館分館」)。 この展覧会は、その再開記念として開催された「光陰礼賛」…

野村美術館と碧雲荘周辺の桜

南禅寺と永観堂のちょうど中間、東山高校の西あたりに、野村財閥の創業者である野村徳七(得庵 1878-1945)が有していた広大なお屋敷、「碧雲荘」があります。 得庵のコレクションを中心に、季節毎、主に茶の湯関連の企画展を催している野村美術館もその敷地の…

レオポルド美術館展のコロマン・モーザー|東京都美術館

レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才 ■2023年1月26日〜4月9日■東京都美術館 この展覧会、主役は当然にエゴン・シーレですが、彼以外のアーティストによる見応えのある作品もたくさん来日しています。 中でもコロマン・モーザー(コロ…

甲斐荘楠音が描いた「男」たち|星野画廊

甲斐荘楠音の素顔 ーその知られざる素描の魅力ー ■2023年3月4日〜4月1日■星野画廊 現在、京都国立近代美術館で開催されている甲斐荘楠音展(2023年2月11日〜4月9日)と同期をとるように、この美術館のすぐご近所、神宮道の星野画廊がとてもユニークな展示を行…

オタール・イオセリアーニの「音楽」

ジョージア(グルジア)出身の映画監督、オタール・イオセリアーニ(Otar Iosseliani 1934-)の作品が、有楽町のヒューマントラストシネマ他、各地のミニシアターでまとめて公開されています(配給はビターズ・エンド)。 彼が、諸々と制約を受けていたソ連支配時…

原在中・在正・在明|京都文化博物館の「原派」展

原派、ここに在り ー京の典雅ー ■2023年2月18日〜4月9日■京都文化博物館 絵師として五代続いたという原家は、「原在中」のごとく、当主の名前に「在」の一字を受け継いでいます。 だから「原」派、ここに「在」り。 一見、駄洒落のようにつけられた展覧会タ…

旧京都市立成徳中学校(下京中学校 成徳学舎)の早咲き桜

京都市下京区、高辻室町にある旧成徳校前の早咲桜が見頃を迎えています(2023年3月中旬現在)。 ソメイヨシノよりもかなり早めの時期、およそ3月初旬、毎年律儀にもこの場所にだけまとまって盛大に開花するので、四条烏丸界隈のピンポイント的な名物となってい…

明治の江戸琳派|出光美術館 旧プライス・コレクション展より

江戸絵画の華〈第2部〉京都画壇と江戸琳派 ■2023年2月21日~3月26日■出光美術館 出光美術館のプライス・コレクション取得記念展です。 全体のタイトルは「江戸絵画の華」と銘打たれていますが、第1部と第2部で全ての作品が入れ替わりますから、実質、二つの…

重信会館のGoh Uozumi|ARTISTS' FAIR KYOTO 2023

東本願寺周辺を主会場の一つとした今年のARTISTS' FAIR KYOTO 2023。 Yottaによる巨大コケシ『花子』が寝そべっている東本願寺御影堂門前と、烏丸通を挟んで、アドバイザリー・ボード展が開催されている渉成園(枳殻邸)をつなぐ小路、中珠数屋町通に、異様な…

渉成園の加藤泉と池上高志|ARTISTS'FAIR KYOTO 2023

昨年、清水寺で開催されていたARTISTS'FAIR KYOTOのアドバイザリー・ボード展。 今年2023年は京都駅近くの東本願寺飛地境内、「枳殻邸」、渉成園が舞台です(2023年3月4日〜12日)。 artists-fair.kyoto いつもは閉じられている、この庭園の下珠数屋町通に面し…

妙心寺 玉鳳院 狩野安信の障壁画と平唐門の美

通常時非公開となっている妙心寺の玉鳳院が特別公開されています(2023年1月7日〜3月19日)。 玉鳳院は、巨大な法堂や仏殿が連なる妙心寺の中心軸からやや東寄り、塔頭東海庵の奥に位置しています。 この寺を創建した花園法皇(1297-1348)が営んだ離宮萩原殿の…

下村良之介の「鳥」特集|中信美術館

生誕100年 下村良之介展 ■2023年2月8日〜3月17日■中信美術館 今年は下村良之介(1923-1998)が生まれてから100年の記念イヤー。 特別に大きな回顧展等は予定されていないようですが、中信美術館がミニ特集企画展(無料)を開催してくれました。 www.chushin.co.j…

サントリー美術館の「文人 木米」展

没後190年 木米 ■2023年2月8日~3月26日■サントリー美術館 一般的に「青木木米」と表記される人です。 ただ、「木米(もくべい)」の「木」は、青木というこの人の苗字、あるいは生家の屋号「木屋」から取られているといわれています。 つまり「青木木米」とし…