水上山荘 (群馬県・水上温泉郷 谷川温泉)

 

私にとって必要にして十分な温泉宿。

年々料理がややパワーダウンしていることが気になりますが、名湯谷川温泉を極上の状態で堪能できる宿としてリピートしています。

 

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JR水上駅まで送迎車が来てくれます。宿まで10分もかかりません。

水上駅へのアクセスは、上越線普通電車の旅と、新幹線上毛高原駅からバスで向かうルートがあります。
上野からの「特急水上号」が廃止されて久しい現在、後者を選択する人が多いのではないかと思います。
いずれの場合も当日到着前に宿へ電話連絡すれば駅への到着時間に合わせて送迎対応してくれますが、ちょうど両方のルートからの客が重なると、先着した方が少し待たさせるケースもあるようです。

 

ラウンジに入ると、はめ殺しの大きなガラス窓から谷川岳の眺望が広がります。
チェックインしてまずこの光景に圧倒されます。
供された黒豆茶を飲みながら、目の疲れまで癒えてくる感覚。

 

水上山荘は谷川温泉の最も奥に位置し、同温泉発祥の地に近い宿として知られています。
このエリアの最高級宿は「別邸 仙寿庵」、次いで「金盛館 せせらぎ」で、いずれもレベルが高い宿。
特に前者はラグジュアリー系といっても良く何度も泊まれる価格設定ではありません。二つの宿ともかつて泊まったことがありますが、湯質の点ではここ、水上山荘が最上だと私は思います。

 

「鶴の湯」・「亀の湯」・「不動の湯2011」と名付けられた三種の源泉がブレンドされています。
43度、pH8.6のアルカリ性単純温泉。全ての浴槽が源泉掛け流し、加温・加水はありません。

かつては宿の企画として「なぜ水上山荘の温泉温度は夏も冬も適温なのでしょうか」というお題でクイズが出されていて、当てると景品がもらえました。
しかし今はもうかなりネタバレしたらしく、クイズは取りやめられています。
三源泉それぞれの温度差を利用して季節に応じ、湯温を調整している、というのが元クイズの答えです。

 

冬にも夏の終わりにも投宿したことがあります。
冬はやや熱めの適温、夏は温めの適温と湯守の方の腕が良いのか、いつも快適。

内風呂は古代檜をそのまま浴槽にした贅沢な造り。シンプルな長方形で、檜の木目が気品を漂わせています。

露天は温めに設定されていて宿では長湯を推奨しています。
二つのエリアに区切られ、以前は湯口が一つだけだったため、湯口のないエリアはかなり温度が低くなっていましたが、新たに湯口が追加され、二つのエリアそれぞれに温めの適温を達成。

露天からは、谷川岳を眺めるにはやや高度が低いのですが、それでもV字に切られた山々の眺望が素晴らしく、ぼんやりしていると1時間くらいすぐ経過。
言われなくても長湯をしてしまう、まさに時忘れの露天です。

三本合わせて毎分約670リットルと大変な量の温泉が確保されています。
シャワーから出る湯も源泉。
単純温泉で成分自体は濃くないため、目詰まりすることがないのでしょう。
贅沢な湯使いをしている宿です。

飲泉することができます。
成分が濃くないとはしましたが、飲むとほんのり甘みを感じる名湯。
胃腸に良いそうです。

濁り湯や硫化水素の香りがするストロング系の温泉も好きですが、私の一番好きなタイプは水上山荘で味わえるような無色透明のまろやかでかろやかな単純温泉
鮮度が良く温めであることも相まって、定期的に浴びたい欲求を抑えられなくなります。

難点をあえてあげるとすれば、チェックインして直後の15時前後に一番風呂を浴びようとすると、まだ湯船に温泉が満たされていない状態になっていたりすること。
特に露天はかなり足りない。
しかしこれは逆に毎日、湯を完全に抜いて掃除している証拠でもあります。

 

食事は専用のレストランで提供されます。

10年ほど前の昔、最初に泊まった時、夕・朝食とも、和洋、二つの本格的なコースから選択できる方式でした。
旅館飯に飽きていたという理由で洋食にしたところ、これがかなりのレベルでびっくりした記憶があります。

その後すぐに夕食の洋食コースは廃止に。
残念ではありましたが、和食の水準もなかなかのもので、料理が楽しみな数少ない旅館となりました。

現在は、朝食の選択肢として残されていた洋食が、宿泊予約時に事前相談する方式に変更になってしまい、お粥も廃止されてしまいました。
夕食も以前よりやや簡略化された感じ。
繊細な味付けは残っているのですが、年々投宿する度に選択肢が減って行くのは寂しい感じがします。

 

部屋は炬燵が置かれた和室で谷川岳のパノラマを楽しむことができます。
全体にモダンでもお洒落でもない、いわゆる昭和型の旅館で所々古ぼけた感じも否めないのですが、不満は何もありません。

なお、貸切風呂はモダンな造り。
自在に湯量を調整できる本格的なジャクージとシンプルな木風呂。こちらは有料でやや熱く、パブリック風呂の水準が高いので一度体験したのみです。

浴衣とは別に寝間着が用意されるなど、さりげないところに気遣いがある一方で押しつけがましいところがないサービス。
何回も泊まっていますが、一度も不快な思いをしたことがありません。

 

一人泊だと平日2万円程度。
混み合った時に泊まった経験がないからかもしれませんが、十分価格に見合った宿だと思います。

 

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