昨年秋に放映された「同期のサクラ」は遊川和彦脚本らしい、登場人物のいじめ方にヒリヒリさせられる面白いテレビドラマでした。
その最終回でヒロイン役の高畑充希が最後に眺めた建築が東京カテドラル。
一気に未来が開けるような素敵な締め括り方だったと思います。
この教会のある辺り、関口台・目白台をめぐるコースが都内で一番好きな散歩道です。
といって、さほど東京を歩き回っているわけではないのですが。
江戸川橋駅から目白通りの坂を上るルートが一番楽かもしれません。
キングレコードの関口台スタジオや獨協高校といった渋い建築を楽しみながら、比較的角度の滑らかな坂を登る道筋。
目白坂の関口フランスパンも名物です。
護国寺駅側から行くと音羽の谷から一気に路地裏の急斜面を登ることになります。
こちらは大変ですが、地形の変化を足に感じながら山の手の路地を散策できて、裏っぽい楽しみ方ができます。
首都高下の薄暗い雰囲気も実は好きだったりします。
江戸川橋公園の遊歩道から椿山荘の庭を通って行く風流なコースもとれますが、現在コロナの影響とかで神田川沿いの門は閉鎖されています。
とはいえ泊りも飲み食いもしないのに通り抜けるだけというのも申し訳ないので一度しかこのルートは辿ったことがありません。
椿山荘、芭蕉庵を通過し胸突坂を登るルートや、かなり遠回りになりますが肥後細川庭園内の歩道を上り、永青文庫の脇から目白通りに抜けるコースといろいろ。
気分と体調次第で選べますがどの道筋もそれなりに趣があります。
なお目白駅側からアクセスしたことはありません。
高台にあり、周囲に高層建築物がありません。
聖マリア大聖堂は、邪魔されるものなく、空と直に接しています。
そこがこの建築に独特の崇高さを加えています。
青空が一番映えますが、曇天でもグレーとシルバーの渋いグラデーションが楽しめます。
国宝でも重要文化財でもありません。
しかし周辺環境も含めてこれほど美が結晶しているスポットは東京の中でも稀有だと思います。