慶野ことり「割れ野のはな」

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創立75周年を記念して2月7日まで京都文化博物館で開催されていた「京都工芸美術作家協会展」。
大家から中堅若手まで実に幅広い作品が展示され、見応えのある記念展でした。

慶野ことりは工芸美術創工会に所属する陶芸家です。
詳しい来歴はわかりませんが、1996年頃から様々な工芸展で入選作を生み出しているアーチストのようです。

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今回出展されている「割れ野のはな」は手びねりで創られたオブジェの一種。
惹き込まれました。

まるで深海の熱水噴出孔に棲むチューブワームの庭のような幻想的な情景が形作られています。
色彩はほとんどなく、「はな」は光の届かない世界で静かに呼吸する生き物のごとく不思議な佇まいをみています。
緩やかに傾斜がつけられ、どこかに落ちていくのであろう土地。
断層で割れた地面。
やがて崩れ去っていく世界の途中に咲いた、というより口を開いた「はな」。
ざらついた触感を想起させる陶の表面は空気と時間をここだけ変化させるような効果を生み出しています。

 

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慶野ことり 「割れ野のはな」