清水卯一「青瓷大鉢」

 

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京都国立近代美術館で開催されている「2020年度第4回コレクション展」(2021年3月7日まで)。

清水卯一の「青瓷大鉢」が展示されています。
1973(昭和48)年の製作。

第2回日本陶芸展に出品された後、翌1974(昭和49)年度、早速に京都国立近代美術館が買い上げた作品です。

清水卯一は五条坂に生まれた京都の陶芸家ですが、1970(昭和45)年からは琵琶湖西岸の蓬莱に移り、独自の窯を立ち上げています。

近江高島あたりで採ったという土で焼き上げられた青磁の大鉢。

京近美にあるこの鉢の他、同じ年に製作された同様の作品が東京国立近代美術館にも収蔵されています(第20回日本伝統工芸展20周年特別賞受賞作)。


繊細な轆轤仕上げによって形作られたフォルムが生み出す気品。

どうしたらこんな複雑かつ味わい深い文様として現れるのか、天然の差配としか言いようのない貫入の美しさ。

色合いは東近美のそれがかなり透明な空の色を写しているのに比べ、京近美のこの大鉢はやや緑がかった陰翳の濃い色合いを映じています。

東京と京都、清水卯一の代表作、二つの「青瓷大鉢」を並べて鑑賞してみたいと思ったりもしました。

 

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