飯田橋には、JR、東京メトロ3路線と都営地下鉄の駅があります。
地味な場所ですが、乗り換え駅としてよく利用します。
ただ、各路線の駅が、組み合わせにもよりますが、妙に離れていて、結構、構内を長々と歩かされることが多いのです。
特にJRや東西線からの乗り換えは構内でのアップダウンもあって、まるで別の駅といってもいい距離感を覚えます。
同じ大江戸線の六本木駅ほどではありませんが、目が眩むような深いエスカレーターが地下に向かって延々と続きます。
しかもこの駅の困るところは、エスカレーターを降り切ってなお、ホームまで長い通路が続くこと。
歩いていて気分が滅入ってきます。
ようやく電車に乗る頃には疲労感十分。
ここで乗り換えたことを後悔することになります。
地下の「孤島」とでもいうべき駅。
でも、この大江戸線飯田橋駅は孤島であると同時に「孤高」の存在感をも示しています。
他路線との乗換方面改札口とは逆方向である春日駅寄り、つまり孤立感が際立つこの駅の中でもさらにとんでもなくポツンと離れているのが「C3」出入口です。
この入口からは東京メトロ各線への乗り換えすらできません。
渡辺誠(1952-)がデザインした緑色のオブジェ網が天井を走る、長い長いエスカレーターに乗って地上に出ると、同じ建築家が設計した奇抜な構築物が待ち受けています。
周囲と全く調和していない近未来的な巨大金属造形物。
植物をイメージしたそうですが、圧倒的なメタリック感を主張していて、見ようによってはH.R.ギーガーの世界を彷彿とさせます。
まるで地下ディストピアへの入り口のような禍々しさ。
そこがたまらない魅力です。
なぜこんな物体があるのか。
正体は通風口だそうです。
地下の孤島が息継ぎをするための換気装置といったところでしょうか。
乗換駅出入口としての機能はほとんど破綻しているレベルなので、ここは思いっきり遊んでやろうという、東京都交通局の開き直りともいうべき仕事がみられます。
飯田橋駅エリアで、C3出入口は乗り換えとは無縁なので、ご近所関連の人しか利用価値がないように見えます。
しかし、この出入口、都内有数の美的庭園空間である小石川後楽園に向かう最短アクセスポイントでもあります。
徒歩3分程度で後楽園入口に達します。
もっとも駅構内を歩く距離がうんざりするほど長いので電車を降りたらすぐ大庭園、というわけではないのですが。
さて、今日、10月1日は「都民の日」。
小石川後楽園も無料開放でした。
普段は大人300円。
なぜ東京都はこの日をもっと宣伝しないのでしょう。
後楽園の他、六義園も、芝辺りの大庭園も無料。
本日の後楽園、さほど混雑はしていませんでした。
でも弱々しいながら、蚊がまだいて、虫除けスプレーを忘れたことを後悔。早々に退散しました。
またC3出口から近々リベンジ散策に訪れる予定です。