2024-01-01から1年間の記事一覧

三菱一号館美術館の再開館記念展

再開館記念「不在」 ー トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル ■2024年11月23日〜2025年1月26日■三菱一号館美術館 2023年4月から約1年半の間、メンテナンス等のために休館していた三菱一号館美術館が2024年11月にリニューアルオープンしました。 長期休館…

Kyoto Art for Tomorrow 2025

Kyoto Art for Tomorrow 2025 ー京都府新鋭選抜展ー ■2024年12月21日〜2025年1月13日■京都文化博物館 主に京都を拠点として活躍する若手アーティストたちを特集した恒例の新作展です。 毎回楽しみにしているのですが、今回もユニークな作品が多数出展されて…

静嘉堂文庫の平安文学美術特集

平安文学、いとをかしー国宝「源氏物語関屋澪標図屏風」と王朝美のあゆみ ■2024年11月16日〜2025年1月13日■静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内) 静嘉堂自慢の国宝である宗達の「源氏物語関屋澪標図屏風」を呼び水として、平安時代に書かれた物語や和歌などにち…

黒田辰秋展|京都国立近代美術館

生誕120年 人間国宝 黒田辰秋 ー木と漆と螺鈿の旅ー ■2024年12月17日〜2025年3月2日■京都国立近代美術館 日本近代工芸における巨人、黒田辰秋(1904-1982)の仕事をユニークな構成で回顧する大規模展です。 次の巡回会場でもある豊田市美術館のコレクションは…

熊野速玉大社の神像と古神宝|和歌山県立博物館

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」登録20周年記念特別展 聖地巡礼 ー熊野と高野ー第Ⅳ期 熊野信仰の美と荘厳 ー熊野速玉大社の神像と古神宝ー ■2024年12月7日~2025年1月19日■和歌山県立博物館 和歌山県立博物館では今年の6月中旬から「熊野と高野」と題し…

テレンス・コンラン展|東京ステーションギャラリー

テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする ■2024年10月12日〜 2025年1月5日■東京ステーションギャラリー 2020年に88歳で亡くなったテレンス・コンラン(Sir Terence Orby Conran 1931-2020)の仕事を徹底的に回顧するという企画展です。 1994年に日…

ベンジャミン・グローヴナー|2024.12.21 バロックザール

ベンジャミン・グローヴナー ピアノリサイタル ブラームス:3つの間奏曲 op.117ラヴェル:夜のガスパール ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」 ■2024年12月21日 13時開演■青山音楽記念館 バロックザール 極めて高度なテクニックと多彩に豊かな音色をもってい…

鶴澤派展|京都文化博物館

鶴澤派探求 ─朝廷御用絵師の要─ ■2024年11月30日〜2025年1月26日■京都文化博物館 近世の京都画壇において非常に大きな存在感を示していたにも関わらず、現在ではあまり語られることがない「鶴澤派」を特集した企画です。 大きな規模ではありませんが、大小さ…

山田正亮とゲルハルト・リヒターの「線」|国立国際美術館

線表現の可能性 ■2024年11月2日〜2025年1月26日■国立国際美術館 「線」をテーマに国立国際美術館が館蔵品を自在に組み合わせて編み上げた特別展です。線はアートにおける極めて基本的なエレメントの一つですから、いかようにでも自由に展示内容を構成できる…

クラブゼロ|ジェシカ・ハウスナー

ジェシカ・ハウスナー(Jessica Hausner 1972-)監督による「クラブゼロ」(Club Zero 2023)が12月上旬より全国公開されています(配給はクロックワークス)。 スタイリッシュかつ、とても意地悪な映画です。こういう傾向の作品が大好物なので非常に面白く鑑賞す…

荒木寛畝「孔雀図」|三の丸尚蔵館「皇室の美術振興」

公家の書-古筆・絵巻・古文書/皇室の美術振興-日本近代の絵画・彫刻・工芸 ■2024年10月29日~12月22日■皇居三の丸尚蔵館 大小二つの展示室を使い分け、中世以前の書と近代以降の絵画や工芸を組み合わせるというユニークな企画です。 つい最近、2023年に国…

サントリー美術館の儒教美術展と「賢聖障子」

儒教のかたち こころの鑑日本美術に見る儒教 ■2024年11月27日~2025年1月26日■サントリー美術館 非常に珍しい「儒教」に特化した日本美術展です。サントリー美術館としてもこのテーマによる展覧会は初めてなのだそうです。 儒教ときいてすぐにイメージが浮か…

岡本神草「口紅」|京都市立芸術大学芸術資料館蔵

現在、京都市京セラ美術館で開催されている京都画壇特集企画「巨匠たちの学び舎」展が後期展示(11月19日〜12月22日)に入り、多数の作品が入れ替えられています。 岡本神草(1894-1933)の作品も、前期の「春雨のつまびき 草稿3」(京都国立近代美術館蔵)に代わ…

エミール・ガレの技法|美術館「えき」KYOTOの没後120年展

没後120年 エミール・ガレ展 美しきガラスの世界 ■2024年11月22日~12月25日■美術館「えき」KYOTO エミール・ガレ(Émile Gallé 1846-1904)の没後120年となった今年はすでに渋谷区立松濤美術館や徳島県立近代美術館など全国各地で回顧展が開催されています。今…

松谷武判展|東京オペラシティ アートギャラリー

松谷武判 Takesada Matsutani ■2024年10月3日〜12月17日■東京オペラシティ アートギャラリー 松谷武判(1937-)のお誕生日は1月1日です。まもなく88歳となるお正月を迎える人ですけれど、現在でも新作を発表する等、先鋭に活動を継続している現役のアーティス…

ウスター美術館の印象派展|あべのハルカス美術館

印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵 ■2024年10月12日~2025年1月5日■あべのハルカス美術館 東京都美術館を皮切りに郡山市立美術館、八王子の東京富士美術館と巡回してきたウスター美術館展が、最終会場である天王寺、あべのハルカス美術館で現在…

チネチッタで会いましょう|ナンニ・モレッティ

チャイルド・フィルムの配給でナンニ・モレッティ(Nanni Moretti 1953-)監督作品「チネチッタで会いましょう」(Il sol dell’avvenire 2023)が11月22日より首都圏と京阪神の映画館を中心に公開されています。 例によってモレッティ自身が出演しつつ「映画を作…

ルイーズ・ブルジョワ展|森美術館

ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ ■2024年9月25日~2025年1月19日■森美術館 「六本木ヒルズの蜘蛛」をつくった人、ルイーズ・ブルジョワ(Louise Bourgeois 1911-2010)の非常に大掛かりな回顧展です。 目に…

ロミー・シュナイダー映画祭2024の3作品

「ロミー・シュナイダー映画祭2024」が10月中旬よりBunkamura ル・シネマ渋谷宮下を皮切りに、全国のミニシアターで順次公開されています(提供:マーメイドフィルム・配給:コピアポア・フィルム)。 2022年に上映された、彼女の没後40年レトロスペクティヴ特集…

慈照院の狐と壺|相国寺承天閣美術館「禅寺の茶の湯」

禅寺の茶の湯 ■2024年9月14日〜11月10日(I期)・2024年11月17日〜2025年2月2日(II期)■相国寺承天閣美術館 相国寺は承天閣美術館の開館40周年を記念し、今年から来年にかけて名古屋(愛知県美術館)と東京(東京藝術大学大学美術館)で大規模な「相国寺展」を主催…

シュルレアリスム100年の北脇昇

「シュルレアリスム」は、ある意味、その「始まり」を比較的はっきり示すことができる芸術運動といえるかもしれません。この言葉をアンドレ・ブルトン(André Breton 1896-1966)が『シュルレアリスム宣言』の中で定義した年である1924年からちょうど100年を迎…

動物界|トマ・カイエ

キノフィルムズの配給でトマ・カイエ(Thomas Cailley 1980-)監督による「動物界」(Le Règne animal 2023) が11月初旬から全国公開されています。 さまざまな意味で「設定」がとても秀逸な映画だと思いました。以下、雑感です。 animal-kingdom.jp 人間が動物…

TRIO展|大阪中之島美術館

開館3周年記念特別展TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション ■2024年9月14日〜12月8日■大阪中之島美術館 今年8月下旬まで東京国立近代美術館で開催されていた「TRIO展」が、もう一つのメイン会場である大阪中之島美術館にやってきました。 東近美…

都路華香の埴輪|東京国立近代美術館「ハニワと土偶の近代」

企画展 ハニワと土偶の近代 ■2024年10月1日〜12月22日■東京国立近代美術館 東京国立博物館で開催されている大盛況の「はにわ」展(10月16日〜12月8日)とほぼ同じタイミングで開催されている、東近美の「ハニワ」展です。 約半世紀ぶりとなる規模の東博展は、…

呉春展|大和文華館

特別展 呉春ー画を究め、芸に遊ぶー ■2024年10月19日〜11月24日■大和文華館 とても濃密緻密に構成された、大和文華館らしい充実の呉春展です。1ヶ月とちょっとという会期の短さが惜しいくらい、大変完成度の高い特別展と感じました。 www.kintetsu-g-hd.co.jp…

戦後西ドイツのグラフィックデザイン展「モダニズム再発見」

戦後西ドイツのグラフィックデザイン展モダニズム再発見Back to Modern – Graphic Design from West Germany ■2024年10月26日〜2025年2月24日■西宮市大谷記念美術館 来年の3月から5月にかけて東京都庭園美術館で開催予定となっている西ドイツ・グフィックデ…

「柔らかい殻」デジタルリマスター版|フィリップ・リドリー

フィリップ・リドリー(Philip Ridley 1964-)監督・脚本による1990年制作の映画「柔らかい殻」(The Reflecting Skin )が10月上旬より各地のミニシアターでリバイバル上映されています(提供:マーメイドフィルム 配給:コピアポア・フィルム)。 公式HP等では情報…

田中一村の「奄美以前」|東京都美術館の大回顧展

特別展田中一村展 奄美の光 魂の絵画 ■2024年9月19日~12月1日■東京都美術館 出展作品リストにみられる総件数が300点を超えています。過去最大規模となる田中一村(1908-1977)の超巨大回顧展です。 平日にも関わらずチケットブース前には長い行列が発生。会場…

六波羅蜜寺の秘仏 十一面観音菩薩立像公開

六波羅蜜寺の本尊、国宝「十一面観世音菩薩立像」が公開されたのでお邪魔してみました。原則として12年に一度、辰年に御開帳される秘仏です(今回は2024年11月3日から12月5日まで)。 本尊を含め本堂内の写真撮影は全面的に禁止されています。寺社では一般的な…

「法華経絵巻と千年の祈り」展|中之島香雪美術館

特別展「法華経絵巻と千年の祈り」 ■2024年10月5日~11月24日■中之島香雪美術館 香雪美術館が所蔵する「法華経絵巻」の修復完了とその初披露をメインとした「法華経美術尽くし」の展覧会です。 規模はそれほど大きくはありませんが、珍しい作品が全国から取…