2023-01-01から1年間の記事一覧
フランソワ・オゾン(François Ozon 1967-)監督の最新作、「苦い涙」(Peter von Kant, 2022)がこの週末から各地のミニシアターで公開されています。 傑作、というほどの感想は、正直、持てなかったのですけれど、後からジワジワとその「構造」を訴えかけてく…
現在、京都文化博物館で開催されている「織田有楽斎」展。 (2023年4月22日~6月25日・ 来年初春にはサントリー美術館に巡回)。 正伝永源院所蔵の、有楽斎がやりとりした書状や文書などの比率が高く、総じて渋めの展示構成なのですが、さりげなくビジュアル系…
恐ろしいほど美しい 幕末土佐の天才絵師 絵金 ■2023年4月22日~6月18日■あべのハルカス美術館 絵金(えきん 「絵師の金蔵」1812-1876)は土佐で活躍した絵師です。 地元である高知県の外で開催される彼の大規模回顧展は、約半世紀ぶりなのだそうです。 月岡芳…
山科、御陵にある栗原邸が一般公開されたので見学してみました。 今回の公開は2023年5月27,28日と6月3,4日の4日間です。 www.d-lab.kit.ac.jp 一般公開を主催しているのは石田潤一郎京都工芸繊維大名誉教授を委員長とする「栗原邸保存研究会」とリビングヘリ…
大徳寺本坊の一部が特別公開されたのでお邪魔してみました(期間は2023年4月27日〜6月4日)。 prtimes.jp 大徳寺の中心伽藍にある建物群は、方丈等を除き、外側からであればいつでも観ることができます。 今回、「特別公開」とされているのは、三門の一階部分(…
Beethoven the Last 3.. アーティスト:Queffelec, Anne Mirare Amazon 先日、アンヌ・ケフェレック(Anne Queffélec)のリサイタルを聴きました。 演目はベートーヴェンの後期三大ソナタです(2023年5月12日 上桂 青山音楽記念館バロックザール)。 とても味わい…
開館1周年記念展デザインに恋したアート♡アートに嫉妬したデザイン ■2023年4月15日〜6月18日■大阪中之島美術館 アートなのかデザインなのか? こんな実にストレートな難問に観客をスマートに巻き込んでいく、その企画センスが光る特別展です。 nakka-art.jp …
曼殊院が新しい「宸殿」と前庭の完成を記念し、その宸殿の中で、国宝「黄不動明王像」を特別公開しています(2023年5月13日〜6月30日)。 お邪魔してみました。 www.manshuinmonzeki.jp 宸殿は「大書院」の西側に接続して建造されています。 堂々とした復古ス…
イエジー・スコリモフスキ(Jerzy Skolimowski 1938-)監督作品、「EO イーオー」(IO, 2022)が5月初旬から各地のミニシアターで公開されています。 eo-movie.com 私は、映画は映画館でみるべき、という考えを全くもっていません。 しかし、ごく稀に、これは劇…
開館50周年記念 特別展 田中一光 デザインの幸福 ■2023年4月22日〜6月11日■奈良県立美術館 190点を超える田中一光(1930-2002)の作品群が全室をうめつくしていました。 一部、大日本印刷はじめ企業などからの出展品もありますが、大半が奈良県美の収蔵品で構…
アンヌ・ケフェレック ピアノリサイタル DAY1 -最後の3つのソナタ- ■2023年5月12日 18:00開演■青山音楽記念館 バロックザール ベートーヴェン ・ピアノソナタ 第30番 ホ長調 op.109・ピアノソナタ 第31番 変イ長調 op.110 ・ピアノソナタ 第32番 ハ短調 op…
開館60周年記念Re: スタートライン 1963-1970/2023現代美術の動向展シリーズにみる美術館とアーティストの共感関係 ■2023年4月28日〜7月2日■京都国立近代美術館 京都国立近代美術館が「国立近代美術館 京都分館」として開館した1963年から、今年で60年。 「…
智積院の新しい宝物館が、今年、2023年4月4日に開館しました。 大型連休も明け、そろそろ落ち着いた頃かもと推測し、初めて入館してみました。 chisan.or.jp 新宝物館は、従来の旧宝物館(拝観受付所奥の建物)からみて南側、これも近年建て替えられた智積院会…
特別企画展「異界彷徨 ー怪異・祈り・生と死ー」 ■2023年4月28日〜6月26日■大阪歴史博物館 200点にもおよぶ、かつて人々が「目に見えない力」を信じていた形跡が展示されています。 一部、個人等からのレンタル品もありますが、ほとんど大阪歴博のコレクショ…
「五条高倉」バス停のすぐ目の前、地下鉄の五条駅からも徒歩数分の場所に、浄土宗の寺院、西念寺があります。 通常非公開ですが、2023年4月22日から5月7日にかけ、京都古文化保存協会主催による特別公開が実施されました。 www.kobunka.com 西念寺は大幹線道…
松村和彦 心の糸■八竹庵(旧川崎家住宅) 山田 学 生命 宇宙の華■HOSOO GALLERY 山内 悠 自然 JINEN■誉田屋源兵衛 黒蔵 ■2023年4月15日〜5月14日 (京都国際写真祭) 女性写真家、男性写真家、あるいは日本人写真家、外国人写真家といった単純な区分け自体、もは…
四百年遠忌記念特別展 大名茶人 織田有楽斎 ■2023年4月22日〜6月25日■京都文化博物館 ざっと8割くらいの展示品が、建仁寺の真北に位置する塔頭、正伝永源院から出展されています。 実態からみると「正伝永源院展」としても良さそうな内容ですが、展覧会のタ…
ココ・カピタン Ookini ■2023年4月15日〜5月14日(京都国際写真祭)■ASPHODEL・大西清右衛門美術館・東福寺塔頭 光明院 今回のKYOTOGRAPHIEが提示しているキーワードは《BORDER=境界線》です。 海と土地、国と国、衣服と身体、あるいは写真と写真。 会場では…
企画展「修理のあとに エトセトラ」 ■2023年4月8日~5月21日■中之島香雪美術館 香雪美術館の開館は1973(昭和48)年。 今年2023年は50周年のアニバーサリーイヤーにあたります。 御影の本館は長期休館に入っていますが、中之島の方では、コレクションの越し方…
高木由利子 PARALLEL WORLD ■2023年4月15日〜5月14日 (京都国際写真祭)■二条城 二の丸御殿 台所・御清所 今回のKYOTOGRAPHIEメイン・プログラムの中で、最大規模に組まれた展示です。 セノグラフィーともども二条城内へ陣取るにふさわしい規模と内容が示され…
ダニエル・シュミット(Daniel Schmid 1941-2006)の「書かれた顔」が4Kでレストアされ、渋谷のユーロスペース他、各地のミニシアターで公開されています。 kakaretakao.com 「鷺娘」ではじまり「鷺娘」で終わる約95分。 映像自体をこれほど「味わえる」映画も…
ボリス・ミハイロフ Yesterday’s Sandwich ■2023年4月15日〜5月14日 (京都国際写真祭)■藤井大丸ブラックストレージ 綾小路を御幸町からすこし西に入ったところに、藤井大丸の店舗外施設、ブラックストレージがあります。 以前はショップが入っていましたが、…
マリー・ローランサンとモード ■2023年4月16日〜6月11日■京都市京セラ美術館 好みではない、むしろ嫌悪感すら覚えることが多いのに、なぜかその作品に出くわしてしまう画家がいます。 マリー・ローランサン(Marie Laurencin 1883-1956)です。 現在、京都市京…
マベル・ポブレット WHERE OCEANS MEET ◼︎2023年4月15日〜5月14日(京都国際写真祭)◼︎京都文化博物館 別館 今年も「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」が始まりました。 中京エリアを中心に15のアーティストたちが、大小さまざまな規模の会場を舞台に紹介されてい…
河内長野の名刹、天野山金剛寺金堂の本尊、大日如来と、不動明王・降三世明王の三尊坐像は、普段、非公開です。 春の特別公開にあわせて鑑賞してきました。 今年2023年春季の公開は4月15日から18日までの4日間。 なお、5月3日から5日までは、これも国宝の「…
アーティゾン美術館では、現在、「アートを楽しむ ー見る、感じる、学ぶ」と題したコレクション展が開催されています(2023年2月25日〜5月14日)。 www.artizon.museum ギュスターヴ・カイユボット(Gustave Caillebotte 1848-1894)の「ピアノを弾く若い男」も…
令和5年 春季展「円山応挙と貝合わせ展」 ■2023年4月1日~5月5日■洛東遺芳館 洛東遺芳館、春の恒例展示が今年も始まっています。 2階展示室に足を踏み入れたところで、思わずウワーと声をあげてしまいそうになりました。 展示ケース内に隙間なく配置された「…
東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密 ■2023年3月17日〜5月14日 「史上初、ぜんぶ重要文化財」と、東近美にしてはかなり気負ったキャッチコピーが採用されています。 ただ、意外にも、この特別展それ自体からは、ちょっと物足りない印象を受けま…
今年、2023年の夏、とても楽しみにしている展覧会があります。 奈良国立博物館の「聖地 南山城」展(7月8日〜9月3日)です。 東京国立博物館でも秋には「京都・南山城の仏像」展(9月16日〜11月12日)として巡回展示される予定。 ただ、奈良博展は東西の新館を使…
第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap ■2023年2月25日〜5月14日■アーティゾン美術館 美術館サイドとダムタイプによる、3月28日に逝去した坂本龍一への追悼メッセージが、会場入口に掲示されていました。 この…