2020-01-01から1年間の記事一覧

泉水館 (群馬県・草津温泉)

草津には数えきれないほど足を運んできましたが、この数年、宿はここに決めています。 三つの貸切風呂に特級の湯質を誇る源泉が溢れています。 泉水館は湯畑から西の河原方面に歩いて3,4分。 草津ホテルがある高台に向かう坂の手前の路地にややひっそりと門…

スラム砦の伝説 (セルゲイ・パラジャーノフ)

「スラム砦の伝説」 (1984年 ソ連) 配給: パンドラ 出演 ヴェリコ・アンジャパリーゼ、タヴィッド・アバシーゼ、ソフィコ・チアウレリ 他 脚本 ラジャ・ギガシュヴィリ 撮影 ユーリー・クリメンコ 美術 アレクサンドル・ジャンシヴィリ 音楽 ジャンスク・カ…

「私鉄王国大阪」(原武史「民都」大阪対「帝都」東京)

「民都」大阪対「帝都」東京 思想としての関西私鉄 (講談社学術文庫) 作者:原 武史 発売日: 2020/10/09 メディア: 文庫 原武史著『「民都」大阪対「帝都」東京 思想としての関西私鉄』(講談社学術文庫) 1998年に講談社選書メチエとして出版された本。 今年20…

京都国立近代美術館の三島喜美代コレクション

京都国立近代美術館では今年度最後、第4回コレクション展が開かれています(2020年12月24日〜2021年3月7日)。 4階中央のコーナーを使って三島喜美代が特集されていました。 京近美が以前から所蔵する油彩等に加え、2019年度、新たに収蔵したセラミック作品を…

ケンペ「ナクソス島のアリアドネ」(SACD)

R.シュトラウス: 歌劇「ナクソス島のアリアドネ」プリマドンナ/アリアドネ: グンドゥラ・ヤノヴィッツツェルビネッタ: シルヴィア・ゲスティ作曲家: テレサ・ツィリス=ガラテノール歌手/バッカス: ジェイムズ・キング執事長: エーリッヒ-アレクサンダー・ヴ…

兵庫県立美術館の具体コレクション

開館50周年記念 今こそ GUTAI 県美の具体コレクション ■2020年12月5日〜2021年2月7日■兵庫県立美術館 具体美術協会の導師、吉原治良の「黒字に赤い円」が展覧会の冒頭を飾っています。 彼のもとに集ったアーティストの作品70点あまり。 兵庫県立美術館が有す…

「トライアローグ」展 20世紀美術の地方分権

横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクショントライアローグ ■2020年11月14日〜2021年2月28日■横浜美術館 西洋20世紀美術の教科書展のような内容となっています。 ピカソからゲルハルト・リヒターまで、ほぼ満遍なく巨匠たちの作品が…

村野藤吾展 槇文彦展 

M meets M 村野藤吾展 (村野藤吾建築展実行委員会)■BankART KAIKO 槇文彦+槇総合計画事務所〜人・建築・都市 槇文彦展 (槇文彦展開催実行委員会)■BankART Temporary ■2020年10月30日〜12月27日 企画の冴え、という点でいえば、これほど素晴らしい展覧会もあ…

福住楼 (神奈川県 箱根・塔ノ沢温泉)

数ある箱根の名湯の中で、福住楼の湯船ほど有名なものはないかもしれません。 毎年のように小田急ロマンスカーのCMやポスターに採用されているのはこの旅館の「大丸風呂」。 絵になる浴槽です。 湯本の萬翠楼福住、同じ塔ノ沢に隣りあう環翠楼と並ぶ、箱根の…

「美を結ぶ。美を開く。」展(サントリー美術館)

リニューアル・オープン記念Ⅲ 美を結ぶ。美を開く。美の交流が生んだ6つの物語 ■2020年12月16日〜2021年2月28日■サントリー美術館 収集の軸として「生活の中の美」を標榜してきたサントリー美術館。 リニューアル記念展を第1,2回と観てきましたが、今回が最…

赤い京都タワー

12月18日夕方、京都タワーのライトアップカラーが赤になっていました。 てっきり新型コロナ警報か何かかと思ったら、あらかじめ決まっていたイベントにあわせての対応だったようです。 来月、京都国立近代美術館で、このタワーの設計者、山田守の原点、「分…

「足利尊氏ではなくなった」騎馬武者像

特別企画 文化財保存修理所開所四十周年記念 文化財修理の最先端 ■2020年12月19日〜2021年1月31日■京都国立博物館 以前、足利尊氏の肖像画として歴史の教科書にも登場していた有名な「騎馬武者像」があります。 現在では高師直、またはその子、師詮との有力…

「バルタザールどこへ行く」 とシューベルト

バルタザールどこへ行く (1966 スウェーデン/フランス) 配給: コピアポア・フィルム lesfugitives 出演: アンヌ・ヴィアゼムスキー、フランソワ・ラファルジュ、フィリップ・アスラン、ナタリー・ジョワイヨー、ヴァルター・グリーン、ジャン=クロード・ギル…

国立工芸館裏庭の「果樹園」(橋本真之)

金沢に移転した東京国立近代美術館工芸館、通称、国立工芸館。先日訪れた時、予約していた時間よりも早く着いてしまったので周囲を散策してみました。工芸館裏手にはまだ鮮やかな紅葉が残っていました。 そこで思わず、あれっ、と目を疑う光景が。 橋本真之…

池内紀の「幻獣」エッセイ

幻獣の話 (講談社学術文庫) 作者:池内 紀 発売日: 2020/11/12 メディア: 文庫 ■ 池内紀 著 『幻獣の話』 (講談社学術文庫) 昨年2019年に亡くなった池内紀の幻獣アンソロジーです。元は1994年、講談社新書として上梓されていた本。 特に改訂や増補などの注記…

村田理如館長の蒐集歴(清水三年坂美術館)

開館20周年特別展示 村田理如 蒐集の軌跡 I ■2020年11月21日〜2021年2月7日■清水三年坂美術館 清水三年坂美術館の創設者にして館長である村田理如氏が自らの蒐集遍歴を開陳するというユニークな企画です。 2000年の美術館開館から20周年を記念して開催されて…

ボレマンスとマンダースの「身体」(金沢21世紀美術館)

ミヒャエル・ボレマンス マーク・マンダース | ダブル・サイレンス ■2020年9月19日〜2021年2月28日■金沢21世紀美術館 身体の神話、または神話的身体が出現しています。繊細な色彩と描画が生み出すボレマンスの絵画に写された人物。 一見、瑞々しい具象画です…

旧三井家下鴨別邸と旧馬場家牛込邸

京都と東京に、偶然ではありますが、とても似通った歴史的経緯をたどった和風建築が残されています。 下鴨神社、糺の森に隣接する旧三井家下鴨別邸。 新宿区若宮町、逢坂の上にある旧馬場家牛込邸。どちらも大資産家にして旧家の屋敷として建てられましたが…

東福寺 月下門

東福寺駅(京阪・JR)から徒歩で東福寺に向かうと、自然に北門から参道を進むことになります。広大な伽藍の入り口にあたる臥雲橋を渡る手前、左手に小さい門があります。 それが月下門です。開山堂等が建てられている東福寺北側の一角、常楽庵の門にあたります…

東九条の霧-中谷芙二子と高谷史郎

京都市立芸術大学主催 展覧会「霧の街のクロノトープ」 ■2020年12月5日〜12月20日■北河原市営住宅跡地(京都市南区) 東福寺方面から九条跨線橋を歩いて渡っている途中、京都駅が見える北西の方角に白いモヤモヤした煙のようなものが見えました。 現在開催中の…

京都市京セラ美術館 冬コレ2020-21

コレクションルーム 冬期 ■2020年12月3日〜2021年3月14日■京都市京セラ美術館 本館南回廊1階 京都市美術館が所蔵品を季節に合わせて順次展開していくコレクション展。 リニューアル後、春期から一巡、冬期の展示がはじまっています。 近年再評価が著しい木島…

「北陸ゆかりの截金作家たち」展 

きらめく美 北陸ゆかりの截金作家たち ■2020年11月19日〜12月20日 ■石川県立美術館 「截金」は「きりかね」と読みます。キリガネと濁らない。繊細美を尽くすこの工芸装飾技法は言葉の響きにおいても決然としています。 西出大三、高瀬孝信、山本茜。三人の截…

国立工芸館 金沢移転記念展

国立工芸館石川移転開館記念展I 工の芸術 素材・わざ・風土 ■2020年10月25日〜2021年1月11日 ■東京国立近代美術館工芸館(国立工芸館) 板谷波山にはじまり板谷波山に終わる。 金沢に移転した東近美の工芸館、移転開館の記念展。 まずはクラシカルな日本近代工…

無鄰菴と椿山荘

山縣有朋という人は「土地」に関する独特のセンスを持っていたように思います。 彼が指図した無鄰菴も椿山荘も、いわば、「高低差の庭」。でもその印象はまったく違います。 椿山荘は関口台が神田川に向かって落ち込む急斜面を利用。神田川沿いの冠木門から…

バシェの音響彫刻

特別企画展 バシェ音響彫刻 ■2020年11月7日〜12月20日 ■京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA 白銀色の葉っぱのようなオブジェ。この部分を叩いて音を出すだけかと思いきや、これは反響板の一種。音を奏でる部分はこの葉っぱにつながれた線状のスチール。指でこ…

根津美術館80周年

財団創立80周年記念特別展 根津美術館の国宝・重要文化財 ■2020年11月14日〜12月20日 国宝7点、重要文化財88点。 私設美術館としては特級のコレクションを有している根津美術館のハイライト特別展です。 古くは殷代の青銅器から江戸後期の琳派まで。 初代根…

眠り展

眠り展:アートと生きること ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで ■2020年11月25日〜2021年2月23日 ■東京国立近代美術館 本展の英訳タイトルは"SLEEPING:LIFE WITH ART"「睡眠展」ではなく、「眠ること展」でもなく、「眠り展」。なんとなく宙に浮かんだような…

「琳派と印象派」展

琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術 ■2020年11月14日〜2021年1月24日■アーティゾン美術館 17世紀から19世紀前半までの絵師たちをつなぐ琳派と、19世紀後半が中心の印象派。 京都・江戸と、パリ。 時代も場所も違う両者が直接的に影響しあったことは無い…

「ホモ・サピエンスの涙」とハマスホイ

■「ホモ・サピエンスの涙」(2019 ロイ・アンダーソン監督) 冒頭、「銀行を信用できない男」のシーン。 寝室とそこから見える奥の部屋の構図。 その整然とした配置と映像の淡い色調。 ウィルヘルム・ハマスホイの絵画を想像してしまいました。 東京都美術館が…

狩野永徳 聚光院花鳥図襖

2020年11月29日に閉じられた東博渾身の特別展「桃山」。 後期会期末近くに訪れてみました。 前期に続き再訪です。 この展覧会を象徴する狩野永徳「唐獅子図屏風」(宮内庁三の丸尚蔵館)は、後期(11月3日〜)からの展示です。 前期の「檜図屏風」から入れ替えら…