岩佐又兵衛「山中常盤」の映画|羽田澄子

MoMAK開館60周年 戦後日本映画を振り返る:動く美術、動かす技術 ー アートと映画「山中常盤」 ■2024年2月25日 14時上映■京都国立近代美術館1階講堂 京都国立近代美術館が京橋の国立映画アーカイブと連携して継続している企画「MoMAK Films」の一環として面白…

「ボーはおそれている」のBeauとL'eau|アリ・アスター

ハピネットファントム・スタジオの配給で2月16日からアリ・アスター(Ari Aster 1986-)監督による「ボーはおそれている」(Beau Is Afraid 2023)が各地のシネコン等で公開されています。 R15+指定です。ちょっとした性描写はありますが丁寧にボカシを入ること…

旧朝香宮邸のモダニズム|東京都庭園美術館

開館40周年記念 旧朝香宮邸を読み解く A to Z ■2024年2月17日〜5月12日■東京都庭園美術館 美術館の建物自体を主役に見立てた特別展です。 今までも庭園美術館は旧朝香宮邸そのものの内部見学を目的とした企画を催してきました。 ただ今回は一手間加えられて…

京都dddギャラリーのカナダ・日本 現代版画展

京都dddギャラリー第240回企画展MIRROR/MIRROR:カナダ・日本 現代版画ドキュメント ■2024年01月17日~03月17日 16名(カナダ8名・日本8名)の現代アーティストたちによる「版画」展です。 といっても、いわゆる版画らしい版画はほとんどありません。 規模は小…

イタリアから来たエッシャーの「天地創造」とシームルグ

エッシャー 不思議のヒミツ ■2023年12月14日〜2024年2月25日■佐川美術館 この国で幾度となく繰り返される、みんな大好きエッシャー展。 ただ東京や大阪での開催はさすがにやりすぎと考えられたのか、今回の企画展は滋賀、富山、愛知とやや渋い巡回コースを辿…

「瞳をとじて」が起こす奇跡|ビクトル・エリセ

2月9日からビクトル・エリセ(Víctor Erice 1940-)監督の「最新作」、「瞳をとじて」(Cerrar los ojos 2023)が各地のシネコンやミニシアターで公開されています。 「ミツバチのささやき」「エル・スール」「マルメロの陽光」、かつて全部観たことがあるのです…

中尊寺金色堂仏像群のミステリー|東京国立博物館

建立900年 特別展「中尊寺金色堂」 ■2024年1月23日~4月14日■東京国立博物館 東博本館特別5室を会場としたお馴染みの「出開帳」企画です。 ただその豪華さと機会の希少性という点では昨今、頭抜けた内容といえるのではないでしょうか。 実際、圧倒されました…

安井仲治が写した東京駅|生誕120年展より

生誕120年 安井仲治—僕の大切な写真 ■2023年12月16日~2024年2月12日■兵庫県立美術館 昨年生誕120年を迎えた写真家 安井仲治(1903-1942)の大回顧展です。 名古屋(愛知県美術館)での展示を終え、神戸、兵庫県立美術館に巡回してきました。 www.artm.pref.hyog…

ストップ・メイキング・センス|ジョナサン・デミ

近所のIMAXシアターでトーキング・ヘッズを浴びてみました。 映像と音楽のリズムが身体の奥に染み込んでしまい、なかなか抜けてくれません。 GAGAの配給により各地のシネコンなどで2月2日から「ストップ・メイキング・センス」の4Kレストア版が公開されてい…

本阿弥光悦展にみる日蓮法華宗芸術|東京国立博物館

特別展「本阿弥光悦の大宇宙」 ■2024年1月16日〜3月10日■東京国立博物館 総花的豪華さで圧倒した前回の企画展「やまと絵」とは打って変わり、いまだに謎めいたアーティストとして魅力を放つ本阿弥光悦の実像に迫った手応え抜群の意欲展です。 さまざまな発見…

ミカエル|カール・テオドア・ドライヤー

ザジフィルムズの配給でカール・Th・ドライヤー監督の作品群が渋谷のイメージ・フォーラム他、各地のミニシアターで上映されています。 「ミカエル」(Mikaël 1924)もその中の一本。 日本では2003年に開催されたこの監督の回顧特集企画で紹介されたことがある…

不染鉄と京都|奈良県立美術館

開館50周年記念 特別展漂泊の画家 不染鉄 ~理想郷を求めて ■2024年1月13日~3月10日■奈良県立美術館 総展示作品数、約120点。奈良県立美術館の全館を不染鉄一色で染め上げた素晴らしい大回顧展です。 www.pref.nara.jp 不染鉄(1891-1976)の名とその画業を世…

橋本雅邦の龍虎と鈴木松年の群仙|静嘉堂文庫美術館

ハッピー龍イヤー!〜絵画・工芸の龍を楽しむ〜 ■2024年1月2日〜2月3日■静嘉堂文庫美術館 タイトル通り今年の干支にちなんだ静嘉堂文庫版ドラゴン・コレクション展です。 中華陶磁や堆朱をはじめ、お馴染みの作品が華やかに展開されていますが、中には鎌倉時…

明治宮殿を飾った近代工芸|皇居三の丸尚蔵館

皇居三の丸尚蔵館 開館記念展 皇室のみやびー受け継ぐ美ー第2期「近代皇室を彩る技と美」 ■2024年1月4日~3月3日 昨年の11月から始まった三の丸尚蔵館リスタート記念展シリーズの第二弾です。 蒙古襲来絵詞や動植綵絵など国宝4件で一室を埋め尽くした前回展…

「哀れなるものたち」の改変世界|ヨルゴス・ランティモス

ヨルゴス・ランティモス監督(Yorgos Lanthimos 1973-)の最新作「哀れなるものたち」(Poor Things 2023)が封切られたので早速鑑賞してみました。 ざっくりとした全体的な印象は人工美の限りが尽くされたネオ・バロック映画といったところでしょうか。 R18+指…

極上の温泉映画 OLD JOY|ケリー・ライカート

昨年末頃から上映されている「ファースト・カウ」が好評のケリー・ライカート監督(Kelly Reichardt 1964-)。 この公開と同期をとっているのかどうかはわかりませんけれど、現在、アマゾンPrime Videoで彼女の過去作品5本が見放題配信されています。 「オール…

八木佑介「準工業地域」他|京都府新鋭選抜展2024

Kyoto Art for Tomorrow 2024 ー京都府新鋭選抜展ー ■2024年1月20日〜2月4日■京都文化博物館 毎年楽しみにしている恒例企画、Kyoto Art for Tomorrowが今年も始まりました。 今回は41名の作品が紹介されています。 出身地はさまざまですが、いずれも京都や滋…

寝覚物語絵巻の謎と美意識|大和文華館のやまと絵特集

特別企画展 やまと絵のこころ ■2024年1月5日~2月18日■大和文華館 平安後期から江戸末期に至るまで、「やまと絵」の精神がどのように受け継がれてきたのか、館蔵の名品を紹介しながら辿るというこの美術館らしい素敵なコレクション企画展です。 www.kintetsu…

西宮市立大谷記念美術館の日本画コレクション

コレクション展 日本画ことはじめ ■2024年1月13日〜2月18日■西宮市立大谷記念美術館 館蔵品を中心に60点あまりの作品がゆったりと陳列されています。 タイトルに「ことはじめ」とあるのは、主に若年層の鑑賞者を意識している企画だからとみられます。 無料配…

渉成園 園林堂特別公開と傍花閣の謎

東本願寺の飛地境内地「渉成園(枳殻邸)」内にある「園林堂(おんりんどう)」が特別公開されたのでお邪魔してみました。 (第58回「京の冬の旅」非公開文化財特別公開|期間2024年1月6日〜3月18日) なお特別公開料金は500円と、この観光企画の一般的設定である8…

小林正和のファイバーアート|京都国立近代美術館

開館60周年記念小林正和とその時代ーファイバーアート、その向こうへ ■2024年1月6日〜3月10日■京都国立近代美術館 2023年に開館60周年を迎えた京近美による記念企画シリーズ、その最終回です。 とても静かに豊かな時間を過ごすことができる特別展だと思いま…

島成園と大阪女性画家特集|大阪中之島美術館

決定版!女性画家たちの大阪 ■2023年12月23日〜2024年2月25日■大阪中之島美術館 59名もの日本画家が取り上げられています。 全て女性です。 男性画家は一人もいません。 「大阪」がテーマの一つにはなっていますけれど、美人画や風俗画など、主題自体として…

二条城「黒書院三の間」特別入室と原画展示

松に囲まれ春を待つ ~〈黒書院〉三の間~ ■2023年12月21日〜2024年2月21日■二条城障壁画 展示収蔵館 お正月を迎えた二条城では、1月4日から29日まで、二の丸御殿黒書院「三の間」の特別公開を実施しています。 普段は廊下から覗くことができるだけですが、…

なら仏像館の撮影OKなユニーク彫像群|奈良国立博物館

名品展 珠玉の仏たち ■2023年12月19日~(終期未定・一部3月24日までの限定展示あり)■奈良国立博物館 なら仏像館 「なら仏像館」はほぼ常設展用の施設ではあるのですが、地味に展示作品を入れ替えたり、期間限定の特別公開品をときどき紹介しているので、意外…

ヴィム・ヴェンダース PERFECT DAYS|寓話的東京の日常

年末年始のシネコン混雑状態も終息したようなので、ヴィム・ヴェンダース(Wim Wenders 1945-)監督による話題作、「PERFECT DAYS」を観てみました。 www.perfectdays-movie.jp 「ありそうなリアル」と「ありえないリアル」の中間、その境界が描かれているよう…

野村仁 追悼特集|京都国立近代美術館

追悼:野村仁 1945–2023 (2023年度 第4回コレクション展) ■2023年12月21日〜2024年3月10日■京都国立近代美術館 昨年10月3日に78歳で亡くなった野村仁の追悼特集展示が京近美4階のコレクション・コーナーで開かれています。 www.momak.go.jp おそらく偶然なの…

「エターナル・ドーター」と「ザ・ヒューマンズ」|A24特集

U-NEXTの配給で「A24の知られざる映画たち」と題された特集上映シリーズが昨年の末頃から各地のミニシアターで公開されています。 四週間の限定上映です。 何本か観てみました。 (ケリー・ライカート監督の「ショーイング・アップ」については既に雑文を公開…

千種掃雲の回顧展|京都国立近代美術館

生誕150年/没後80年 千種掃雲 ■2023年12月21日~2024年3月10日■京都国立近代美術館 京近美4階のコレクション展示コーナーで、明治から昭和前期にかけて活躍した日本画家、千種掃雲(ちぐさ そううん 1873-1944)の特集が組まれています。 昨年が彼の生誕150年…

カウリスマキ「枯れ葉」にみる極上の既視感

アキ・カウリスマキ(Aki Kaurismäki 1957-)の最新作「枯れ葉」(Kuolleet Lehdet 2023)が昨年末頃から渋谷のユーロスペース(配給も兼ねています)他、各地のミニシアターを中心に公開されています。 お正月映画として鑑賞してみました。 kareha-movie.com 徹…

泉穴師神社の神像|京都国立博物館 2024新春展示

修理完成記念 特集展示 泉穴師神社の神像 ■2024年1月2日~ 2月25日■京都国立博物館 京博の2024年新春コレクション展がスタートしました。 今年の干支に因んで「龍」をモチーフとした作品が集められ、中華帝国で制作された華麗な工芸・装束をはじめ、久しぶり…