クルーゾーの「地獄」(ロミー・シュナイダー映画祭)

今年2022年はロミー・シュナイダー(Romy Schneider 1938-1982)没後40年。 この大女優を特集した映画祭がBunkamuraル・シネマを皮切りに各地のミニシアターで開かれています。 romyfilmfes.jp 6本中、2作品が日本劇場初公開。 その内の一本、「地獄」は2009年…

フィン・ユールの椅子

フィン・ユールとデンマークの椅子 ■2022年7月23日~10月9日 ■東京都美術館 今年の夏、ほぼ同時期に、都立の美術館2館が揃って「椅子」を特集しました。 東京都現代美術館のジャン・プルーヴェ展に続き、上野でのフィン・ユール&デンマーク椅子展を鑑賞。 い…

片岡安 仁和寺 霊宝館

秋季特別企画展学校法人常翔学園創立100周年・仁和寺霊宝館開館95周年 記念事業仁和寺霊宝館 秋季名宝展 ■2022年9月17日〜12月4日 秋の仁和寺名宝展がいつものように始まりましたが、今回は少し毛色の変わった企画が組まれています。 展示の前半は国宝の文書…

木場と四条西洞院のジャン・プルーヴェ展

ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで ■2022年7月16日〜10月16日 ■東京都現代美術館 Rester Jean Prouvé ■2022年7月17日〜10月16日 ■node hotel 規模はまったく違いますが、東京と京都でジャン・プルーヴェ(1901-1984)の回顧展が3ヶ月にわたって開催されま…

仁和寺 金堂内部 香取秀真の梵鐘

京都市観光協会の主催により、普段非公開の仁和寺金堂および御影堂の内部が公開されました(「京の夏の旅」2022年7月9日〜9月30日)。 ninnaji.jp 境内の北辺に位置する金堂は、1613(慶長18)年に建造された内裏の紫宸殿を、寛永年間(1624〜1643)に移築したもの…

ル・シダネルとマルタン 二人のアンリ

美術館「えき」KYOTO開館25周年記念 シダネルとマルタン展 最後の印象派 ■2022年9月10日〜11月6日 ■美術館「えき」KYOTO ちょうど昨年の9月、ひろしま美術館からスタートしたアンリ・ル・シダネルとアンリ・マルタンの特集企画展。 山梨、東京、鹿児島を経て…

ボストン美術館の探幽・山雪・増山雪斎

ボストン美術館展 芸術×力 ■2022年7月23日〜10月2日 ■東京都美術館 もともと2020年に開催される予定だったボストン美術館名品展。 コロナで中止の憂き目にあったものの、都美術館とおそらく読売新聞&日テレによる執念ともいえるプロデュースの力で今年リベン…

板谷波山の香炉

特別展 生誕150年記念 板谷波山の陶芸 -近代陶芸の巨匠、その麗しき作品と生涯- ■2022年9月3日~10月23日 ■泉屋博古館 板谷波山(1872-1963)生誕150年の今年、彼の故郷、茨城県筑西市での3館共同展(しもだて美術館・板谷波山記念館・廣澤美術館)を皮切りに…

狩野山楽 二条城大広間四の間「松鷹図」

「松鷹 ~将軍の武勇を示す障壁画~」 ■2022年7月14日〜9月11日 ■二条城障壁画 展示収蔵館 2020年10月から11月にかけて東京国立博物館で開催された「桃山展」。 質量ともに圧倒的だった展示品群の最後を締め括っていたのが二条城から上野に運ばれた巨大な「…

ウィーン幻想派の版画(京都市美術館)

京都市京セラ美術館、今年2022年夏期コレクション展(7月16日〜9月25日)は「幻想の系譜―西洋版画コレクションと近代京都の洋画」と題され、夏らしく少し不気味にひんやりするテイストの作品が集められています。 kyotocity-kyocera.museum 北脇昇他、おなじみ…

金剛寺の聖剣と日月四季山水図屏風

特別展 河内長野の霊地 観心寺と金剛寺─真言密教と南朝の遺産─ ■2022年7月30日~9月11日 ■京都国立博物館 直線距離でいえば、河内長野は京都より奈良の方が当然に近いのですが、この地の二大寺院である檜尾山観心寺、天野山金剛寺ともに、京都国立博物館と親…

清水九兵衞=七代清水六兵衞 生誕100年

生誕100年 清水九兵衞/六兵衞 ■2022年7月30日〜9月25日 ■京都国立近代美術館 www.momak.go.jp 実にたくさんの名前をもっていた人物です。 1922(大正11)年5月15日、この人の生まれたての名前は塚本廣。名古屋の人です。 1951(昭和26)年、六代清水六兵衞の養…

高島屋史料館の「世界三景」

特別展示 生誕150年 山元春挙と高島屋 ■2022年7月16日〜8月15日 ■高島屋史料館 www.takashimaya.co.jp 山元春挙(1872-1933)生誕150年の今年、すでに滋賀県立美術館が大規模な回顧展を開催しています(笠岡市立竹喬美術館・富山県水墨美術館へ巡回)。 同展でも…

アントワーヌ・ドワネル(「二十歳の恋」)の音楽趣味

今年は、フランソワ・トリュフォー(1932-1984)生誕90年。 これを記念して各地のミニシアターで特集上映が開催されました。 movies.kadokawa.co.jp 「アントワーヌとコレット」(Antoine et Colette,1962)は、もともと「二十歳の恋」と題されたオムニバス映画…

ノスフェラトゥ(ヘルツォーク)に関する備忘録

先日、ヴェルナー・ヘルツォークの「ノスフェラトゥ」(Nosferatu The Vampyre,1979)を鑑賞しました。 以下、備忘録です。 joji.uplink.co.jp ムルナウ監督による無声映画「吸血鬼ノスフェラトゥ」(1922)のリメイクとして知られている作品。 その象徴が夢に出…

三尾公三コレクション(京都国立近代美術館)

京都国立近代美術館4階のコレクション展コーナーの一室で、三尾公三(1923-2000)のミニ特集が組まれています(2022年度第3回コレクション展 7月22日〜10月2日)。 三尾が、現在同館で特別展が開催されている清水九兵衛(1922-2006)と親交があったことにちなんで…

「囚われの女」(アケルマン)の音楽

「シャンタル・アケルマン映画祭」で公開された5本の中で、とりわけ音楽が印象的に使われていた作品が、「囚われの女」(La Captive, 2000)、です。 chantalakerman2022.jp 登場する楽曲は主に3曲です。 最初はラフマニノフの交響詩「死の島」。 スタニスラス…

帝室技芸員たちの「技」と「芸」

特別展 綺羅きらめく京の明治美術ー世界が驚いた帝室技芸員の神業 ■2022年7月23日〜9月19日 ■京都市京セラ美術館 鶴首していた展覧会です。 もっぱら明治期に絞り、京都にゆかりをもつ帝室技芸員たち19人を特集する企画展。 全国各地から逸品を取り寄せてい…

エマニュエル・デ・ウィッテの幻想空間

現在、天王寺・大阪市立美術館に巡回中の「フェルメールと17世紀オランダ絵画」展(2022年7月16日〜9月25日)では、修復論争で話題の「窓辺で手紙を読む女」だけでなく、フェルメールと同時代を生きた画家たちによる優品の数々を堪能することができます。 www.…

マルケータ・ラザロヴァー (フランチシェク・ヴラーチク)

「マルケータ・ラザロヴァー」(Marketa Lazarová, 1967)が渋谷のシアター・イメージフォーラム他、各地のミニシアターで上映されています。 marketalazarovajp.com 約2時間45分、とにかく「ホンモノ」感が圧倒的なモノクロ超大作。 チェコ本国での公開から5…

當麻曼荼羅をめぐる人々

貞享本當麻曼荼羅修理完成記念 特別展 中将姫と當麻曼荼羅 ―祈りが紡ぐ物語― ■2022年7月16日~8月28日 ■奈良国立博物館 (西新館) 圧倒的な情報量に頭がクラクラするような展覧会でした。 2018年から2020年にかけて実施された「貞享本 當麻曼荼羅」の修復作業…

「ラスキンの聖母」とエルスハイマーの「聖ステパノ」

スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち ■2022年7月16日〜9月25日 ■神戸市立博物館 greats2022.jp 先日まで東京都美術館で開催されていたスコットランド国立美術館展が神戸に巡回してきました。 全89点。 上野では93点でした。 以下の4作品が巡回…

シャンタル・アケルマンのモダニズム

「ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地」(Jeanne Dielman, 23, quai du Commerce, 1080 Bruxelles 1975)。 シャンタル・アケルマンの代表作です。 chantalakerman2022.jp ブリュッセルに暮らす、ある未亡人の三日間が200分の時…

アンナの出会い (シャンタル・アケルマン)

「シャンタル・アケルマン映画祭」で上映された「アンナの出会い」(Les Rendez-vous d'Anna 1978)を観てみました。 chantalakerman.foundation 映画監督の女性、アンナ(オーロール・クレマン)が、西ドイツからベルギー経由でフランス、パリに戻るまでの3日間…

オルメイヤーの阿房宮(シャンタル・アケルマン)

各地のミニシアターで開催された「シャンタル・アケルマン映画祭」。 「オルメイヤーの阿房宮」(La Folie Almayer 2011)を観てみました。 chantalakerman.foundation 夜の川面とみられる情景に、「トリスタンとイゾルデ」の第1幕前奏曲冒頭(演奏はメータ指揮…

私、あなた、彼、彼女 (シャンタル・アケルマン)

今年は「シャンタル・アケルマン映画祭」が各地のミニシアターで開催されました(主催はマーメイドフィルム)。 5作品。いずれもデジタルリマスター版で、日本初公開なのだそうです。 chantalakerman2022.jp 「私、あなた、彼、彼女」( Je,Tu,Il,Elle)は、シャ…

検閲者の眼で観た「アンドレイ・ルブリョフ」

アンドレイ・タルコフスキー(1932-1986)の生誕90年を記念し、5月頃から各地のミニシアターで特集上映企画、「タルコフスキー、アトモスフェア」が開催されています。 eiga.com とっても当たり前のことですけれど、「生誕90年」ということは今年2022年、もし…

KOSUGI+ANDO「芳一」(関西の80年代展)

現在、兵庫県立美術館で開催されている「関西の80年代」展(2022年6月18日〜8月21日)では、発表当時の展示を再現した大型のインスタレーションを、数点、観ることができます。 www.artm.pref.hyogo.jp KOSUGI+ANDOによる「芳一 物語と研究」は、1987年2月26日…

太田三郎 災いと切手(BBプラザ美術館)

太田三郎展「人と災いとのありよう」 ■2022年7月5日〜9月11日 ■BBプラザ美術館 阪神・岩屋駅近くのBBプラザで太田三郎(1950-)の個展が開かれています。 この人の作品は東京国立近代美術館のコレクション展で代表作《Seed Project》シリーズを観たことがある…

鏑木清方と吉川霊華

京都国立近代美術館では、現在同館3階で開催中の「没後50年 鏑木清方」展(2022年7月10日まで)にあわせ、4階のコレクション展示室で清方ゆかりの作品や美人画を特集しています(こちらは7月18日まで)。 www.momak.go.jp 鏑木清方は1916(大正5)年、結城素明、平…