2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

北陸大学蔵の黄瀬戸茶碗|京博「茶の湯」展より

京都国立博物館 平成知新館1階の北西コーナーに位置するやや小さい展示室空間。 京博開催の特別展では、ここに、企画の「目玉」となる作品が集められる傾向があります。 2022年10月18日から12月4日にかけて開催された「茶の湯」展は、質量ともに圧倒的な内容…

松尾大社 本殿と三神像

松尾大社の本殿が特別公開されたので見学してみました。 (京都古文化保存協会主催・2022年11月3日〜12月4日) 境内はフラフラと散策したことがありますが、回廊の中、本殿(重要文化財)そのものを観たことはありませんでした。 神職の方が見学者を数名単位でま…

パゾリーニ生誕100年 |ぴあフィルムフェスティバル 2022

ピエル・パオロ・パゾリーニ(Pier Paolo Pasolini 1922-1975)の生誕100年を記念し、今回の「ぴあフィルムフェステイバル2022」では彼の大規模特集が組まれました。 以下、雑感です。 pff.jp 2022年の今年はアンドレイ・タルコフスキーとフランソワ・トリュフ…

清浄華院の狩野永納「泣不動縁起絵巻」

京都御苑の東隣、寺町通に門を構える清浄華院には、二つの「泣不動縁起絵巻」が伝わっています。 この秋、京都古文化保存協会主催の特別公開(2022年11月18日〜27日)により、普段は京都国立博物館に寄託保管されているこの絵巻二本が同時に寺内で展示されまし…

泉涌寺 霊明殿

泉涌寺、境内の一番東側奥に建つこの寺の最重要施設「霊明殿」(れいめいでん/りょうみょうでん)は、普段、非公開となっています。 2022年11月6日〜26日、京都古文化保存協会の主催により特別公開されました。 隣接する本坊や庭園は比較的よく公開されていま…

蓮成院の菊池契月

大原にある蓮成院(れんじょういん)が特別公開されたので訪問してみました。 (京都古文化保存協会主催・公開は2022年11月12日〜30日) 滅多に公開されない寺院だと思います。 初見学でした。 小さいお寺なのですが、客殿の内部は京都画壇の名人たちによる襖絵…

松室重光 京都ハリストス正教会

京都古文化保存協会による特別公開事業の一環で、京都ハリストス正教会「生神女福音聖堂」の内部が公開されました(柳馬場二条・2022年11月8日〜18日)。 この建物は、ちょうど今年、2022年2月、国の重要文化財指定を受けています。 これまでにも古文化保存協…

滋賀県立美術館「石と植物」展

企画展 石と植物 ■2022年9月23日〜11月20日 ■滋賀県立美術館 自前の収蔵品を中心にどこまで面白い企画が組めるか。 滋賀県美のキュレーターたちが、楽しく頭の中で汗をかいた雰囲気が伝わってくるような、素晴らしい展覧会でした。 www.shigamuseum.jp 昨年6…

竹内栖鳳「徽宗の猫」と「省筆」

特別展 没後80年記念 竹内栖鳳 ■2022年10月6日〜12月4日■山種美術館 竹内栖鳳(1864-1942)が、今は無き湯河原の名宿「天野屋」の敷地内に建てた別荘で没してから今年で80年。 これを記念し、広尾の山種美術館では、同館自慢の栖鳳コレクションに加え、初公開…

カトリック河原町教会|京都モダン建築祭より

今年2022年11月11日から13日にかけて初めて開催された「京都モダン建築祭」。 「カトリック河原町教会」の内部が一般に公開されたので見学してみました。 2022.kenchikusai.jp 以前、この教会の北側には「京都ロイヤルホテル」が覆い被さるように隣接し、南…

大阪市立美術館 休館中の巡回コレクション展

美をつくし―大阪市立美術館コレクション ■2022年9月14日~11月13日■サントリー美術館 2026年に開館90周年を迎える大阪市立美術館。 記念イヤーを前に、老朽化した建物や館内設備などを修繕するため、今年の夏頃から3年程度の長期休館期間に入っています。 こ…

南禅寺 南陽院 木島櫻谷の襖絵と植治の庭

今年の9月、京都ローカルなニュースの中で、アート関連のちょっと面白いトピックスが報道されました。 南禅寺の塔頭、南陽院を飾る襖絵が木島櫻谷の筆によるものと特定、「再発見」されたという話題。 近年、櫻谷を積極的にとりあげている泉屋博古館による調…

今年のうちに石山寺。大河ドラマが始まる前に。

再来年、2024年の大河ドラマは紫式部が主人公だそうです。 大河ドラマ自体に興味はないのですが、すぐ、これは廬山寺と石山寺が大喜びしそうな題材だなあ、と思ったわけです。 京都御所の東に隣接する廬山寺は、紫式部が一時住んでいたと推定される場所の上…

東博150年展に関する長い雑感(やや批判系かも)

絶賛開催中の特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」(2022年10月18日〜12月11日)。 「凄い」とか「かつてない」、「奇跡的」という派手な形容詞がメディアを飛び交い、日時指定の予約チケットも早々に完売していくという大盛況です。 平日午後の遅い時間帯を…

今年の正倉院ペーパーナイフ

第74回 正倉院展 ■2022年10月29日〜11月14日■奈良国立博物館 今回の正倉院展、メインビジュアルに選ばれた宝物は「漆背金銀平脱八角鏡」でした。 昨年の華麗な「螺鈿紫檀阮咸」はもとより、例年の目玉出展品と比べても、やや地味な印象を受けますが、繊細さ…

マリオ・ブルネロ|2022.11.6 バロックザール

マリオ・ブルネロ 無伴奏チェロリサイタル ■2022年11月6日 14時開演■青山音楽記念館 バロックザール J.S.バッハ ・無伴奏ヴァイオリン パルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002・無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011 ・無伴奏チェロ組曲 第4番 変ホ長調 BWV101…

中之島の「具体」大回顧展|国立国際美術館

すべて未知の世界へ ― GUTAI 分化と統合 ■2022年10⽉22⽇〜2023年1⽉9⽇■国立国際美術館 (大阪中之島美術館と共催) 今年、2022年は具体美術協会が解散してからちょうど50年。 国立国際美術館と大阪中之島美術館、渡辺橋駅前に隣り合う巨大なミュージアム2館…

祇園のアンディ・ウォーホル 1974年

原榮三郎が撮った京都 Warhol in Kyoto 1974 ■2022年9月17日〜2023年2月12日■ZENBI-鍵善良房-KAGIZEN ART MUSEUM 現在、京都市京セラ美術館で開催されている「アンディ・ウォーホル・キョウト」展と同期したミニ展覧会です。 京都市美展の企画も担当している…