2024-01-01から1年間の記事一覧

ピーター・グリーナウェイ「ZOO」|シンメトリーの美と冷酷

動画配信サービスJAIHOによる企画でピーター・グリーナウェイ(Peter Greenaway 1942-)の過去作品4本が各地のミニシアターで公開されています(配給はツイン)。 ZOO(A Zed & Two Noughts 1985)を観てみました。かなり昔に鑑賞して以来、劇場で観るのはおそらく…

須田国太郎回顧展|西宮市大谷記念美術館

生誕130年 没後60年を越えて「須田国太郎の芸術―三つのまなざし―」 ■2024年3月2日〜4月21日■西宮市大谷記念美術館 昨年の秋、碧南市藤井達吉現代美術館からスタートした須田国太郎(1891-1961)の回顧展が香櫨園に巡回してきました。 規模としては2012年に京都…

中平卓馬が写した「京都」|東京国立近代美術館

中平卓馬 火 ー 氾濫 ■2024年2月6日〜4月7日■東京国立近代美術館 来年没後10年を迎える中平卓馬(1938-2015)の非常に大掛かりなレトロスペクティヴです。 中平が最期までもち続けたのであろう写真に対する研ぎすまれた思念を東近美のキュレーターたちが正面か…

福田平八郎展とモネ|大阪中之島美術館

没後50年 福田平八郎 ■2024年3月9日〜5月6日■大阪中之島美術館 美術館のチケットブース前に長い行列が出来ていて困ったなあと思ったのですが、大半のお客さんは同時開催されている「モネ展」がお目当てだったようです。 関西では2007年の京都国立近代美術館…

「オッペンハイマー」と「ゴシラ-1.0」が描かなかったこと

ビターズ・エンドの配給でクリストファー・ノーラン(Christopher Nolan 1970-)監督による「オッペンハイマー」(Oppenheimer 2023)が3月29日から公開されています。 近所のシネコンでIMAX鑑賞してみました。 www.oppenheimermovie.jp 2023年夏にアメリカで封…

アルベール・グレーズ「戦争の歌」|キュビスム展

パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展 ー 美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ ■2024年3月20日~7月7日■京都市京セラ美術館 昨年の10月から今年1月末にかけて開催された上野の国立西洋美術館展に続き、京都でのキュビスム展が開幕しま…

奥津荘「鍵湯」の悦楽|岡山県・奥津温泉

昔に比べると随分お高い宿になってしまいました。 しかしここ奥津荘が誇る足元湧出風呂「鍵湯」は一度入るとその素晴らしさを忘れることができません。 毎年というわけにはいきませんが定期的に訪れたくなる名湯宿です。 okutsuso.com 公共交通機関を使う場…

ジュルメーヌ・リシエ「蟻」など|MOMATコレクション展より

所蔵作品展 MOMATコレクション ■2024年1月23日〜4月7日■東京国立近代美術館 東近美の春季コレクション展を覗いてみました。 川合玉堂「行く春」や菊池芳文「小雨ふる吉野」などこの時季らしい日本画の名作が並ぶ一方、同時開催されている企画展「中平卓馬 火…

国立国際美術館の新デッキ工事と高松次郎「影」

中之島の国立国際美術館は昨年2023年9月から「工事」を理由に約半年間休館していました。格別に長い休業とまではいえませんけれど企画展を2回分くらい開催できる期間、クローズしていたことにはなります。 現在開催されている「古代メキシコ展」(2024年2月6…

嵯峨嵐山文華館の源氏物語特集

企画展 よきかな源氏物語 ■2024年1月18日〜4月7日■嵯峨嵐山文華館 よくありがちな源氏物語をテーマとした近世絵画特集ではありますが、この美術館らしくかなり珍しい作品も紹介されています。 独特の捻りが効いていて楽しめました。 www.samac.jp 中村大三郎…

テオティワカン・アートの魅力|「古代メキシコ」展

特別展 古代メキシコ ー マヤ、アステカ、テオティワカン ■2024年2月6日〜5月6日■国立国際美術館 昨年の6月中旬に東京会場(東京国立博物館)からスタートした「古代メキシコ」展。福岡展(九州国立博物館)を経て最後の巡回地である大阪にやってきました。 上野…

京都市交響楽団第687回定期|2024.3.16 京都コンサートホール

京都市交響楽団 第687回定期演奏会 ■2024年3月16日 14時30分開演■京都コンサートホール バルトーク・ベーラ:ピアノ協奏曲第2番 セルゲイ・ラフマニノフ:交響曲第3番 イ短調 作品44 ジャン・エフラム・バヴゼ(Pf) 指揮:広上 淳一 バヴゼ(Jean-Efflam Bavouzet…

元成徳中学校前の桜 2024

今年も京都市立元成徳中学校前の桜「春めき」が満開になりました(3月16日現在)。

竹内栖鳳の「青」と村上華岳の「黒」|福田美術館

進撃の巨匠 竹内栖鳳と弟子たち ■2024年1月18日~4月7日■福田美術館 竹内栖鳳(1864-1942)をコアとして彼の師弟たちによる作品を福田美術館自前のコレクションを中心に紹介する企画展です。 後期(3月6日〜4月7日)展示を鑑賞してみました。 相変わらず外国人観…

京都御所伝来の名宝|皇居三の丸尚蔵館

皇居三の丸尚蔵館開館記念展 皇室のみやびー受け継ぐ美ー第3期 近世の御所を飾った品々 ■2024年3月12日〜5月12日 三の丸尚蔵館リニューアルオープン記念展の第三弾です。 前回の第2期は明治以降、近代皇室にもたらされたコレクションが中心となっていました…

「狩野派」としての村上隆|京都市京セラ美術館

京都市美術館開館90周年記念展村上隆 もののけ 京都 ■2024年2月3日〜9月1日 京都市京セラ美術館、本年最大の特別展がスタートしました。 初日はエントランス前に大行列が出来ていましたが、先着5万名にプレゼントされたトレーディングカードの在庫が早々に尽…

池大雅生誕300年|出光美術館

生誕300年記念 池大雅─陽光の山水 ■2024年2月10日〜3月24日■出光美術館 2023年に生誕300年の記念イヤーを迎えた池大雅(1723-1775)を特集した企画展です。 久しぶりの大規模なレトロスペクティヴとして非常にクオリティの高い内容に仕上がっていると感じまし…

「ヴェルクマイスター・ハーモニー」4K版|タル・ベーラ

タル・ベーラ(Tarr Béla 1955-)監督による「ヴェルクマイスター・ハーモニー」(Werckmeister harmóniák 2000)の4Kレストア版が各地のミニシアターで公開されています(2月24日〜シアター・イメージ・フォーラム 配給はビターズ・エンド)。 4K化により「黒」の…

ハタインターナショナルによるモネ100%展

モネ 連作の情景 ■2024年2月10〜5月6日■大阪中之島美術館 東京展(上野の森美術館)を終えモネ展が大阪に巡回してきました。 うんざりするような入場前行列ができていた上野に対し、キャパに余裕がある中之島は比較的ゆったりとしていて大きなストレスなく鑑賞…

ミヤケマイとやなぎみわ|ARTISTS'FAIR KYOTO 2024

ARTISTS'FAIR KYOTO 2024 (アドバイザリーボード展覧会) ■2024年3月1日〜3月10日■清水寺・成就院 今年のアーティスツフェア京都、アドバイザリーボードによる展示は清水寺とその塔頭成就院が舞台となりました。 ここが会場となるのは一昨年2022年に続いて二…

八代清水六兵衞展|中信美術館

清水六兵衞 CERAMIC SIGHT ■2024年2月7日〜3月15日■中信美術館 八代清水六兵衞(1954-)の特集企画展です。 規模は大きくありませんが、作家自身が選んだ初期の作品から昨年2023年製作の最新作まで全46点展示されていますから、一種の回顧展といっても良い充実…

「落下の解剖学」がとった戦略|ジュスティーヌ・トリエ

2月23日からジュスティーヌ・トリエ(Justine Triet 1978-)監督の「落下の解剖学」(Anatomie d'une chute 2023)が公開されています(配給はGAGA)。 カンヌ国際映画祭2023におけるパルムドール受賞作品ですが日本でのシネコン公開期間はそれほど長く持ちそうに…

ティモ・サルパネヴァの「 i 」|イッタラ展

イッタラ展フィンランドガラスのきらめき ■2024年2月17日〜3月29日■美術館「えき」KYOTO 2022年9月に渋谷(Bunkamura ザ・ミュージアム)からスタートして各地を巡回している「イッタラ展」。現在、伊勢丹京都の7Fで開催されています。 この後、高知県立美術館…

フランク・ロイド・ライト展の今昔と二代目帝国ホテル

開館20周年記念展/帝国ホテル二代目本館100周年フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築 ■2024年1月11日〜3月10日■パナソニック汐留美術館 昨年の秋、豊田市美術館からはじまったフランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright 1867–1959)の回顧展が新橋に…

岩佐又兵衛「山中常盤」の映画|羽田澄子

MoMAK開館60周年 戦後日本映画を振り返る:動く美術、動かす技術 ー アートと映画「山中常盤」 ■2024年2月25日 14時上映■京都国立近代美術館1階講堂 京都国立近代美術館が京橋の国立映画アーカイブと連携して継続している企画「MoMAK Films」の一環として面白…

「ボーはおそれている」のBeauとL'eau|アリ・アスター

ハピネットファントム・スタジオの配給で2月16日からアリ・アスター(Ari Aster 1986-)監督による「ボーはおそれている」(Beau Is Afraid 2023)が各地のシネコン等で公開されています。 R15+指定です。ちょっとした性描写はありますが丁寧にボカシを入ること…

旧朝香宮邸のモダニズム|東京都庭園美術館

開館40周年記念 旧朝香宮邸を読み解く A to Z ■2024年2月17日〜5月12日■東京都庭園美術館 美術館の建物自体を主役に見立てた特別展です。 今までも庭園美術館は旧朝香宮邸そのものの内部見学を目的とした企画を催してきました。 ただ今回は一手間加えられて…

京都dddギャラリーのカナダ・日本 現代版画展

京都dddギャラリー第240回企画展MIRROR/MIRROR:カナダ・日本 現代版画ドキュメント ■2024年01月17日~03月17日 16名(カナダ8名・日本8名)の現代アーティストたちによる「版画」展です。 といっても、いわゆる版画らしい版画はほとんどありません。 規模は小…

イタリアから来たエッシャーの「天地創造」とシームルグ

エッシャー 不思議のヒミツ ■2023年12月14日〜2024年2月25日■佐川美術館 この国で幾度となく繰り返される、みんな大好きエッシャー展。 ただ東京や大阪での開催はさすがにやりすぎと考えられたのか、今回の企画展は滋賀、富山、愛知とやや渋い巡回コースを辿…

「瞳をとじて」が起こす奇跡|ビクトル・エリセ

2月9日からビクトル・エリセ(Víctor Erice 1940-)監督の「最新作」、「瞳をとじて」(Cerrar los ojos 2023)が各地のシネコンやミニシアターで公開されています。 「ミツバチのささやき」「エル・スール」「マルメロの陽光」、かつて全部観たことがあるのです…