神坂雪佳と中村芳中 

つながる琳派スピリット 神坂雪佳 ■2022年4月23日〜6月19日 ■細見美術館 神坂雪佳(1866-1942)といえば、絵師・画家というよりも、工芸の図案家という印象が強い人です。 染織や漆芸の工程そのものに若い頃から関心を示し製作もしたというこの作家の本領は工…

陽明文庫と永青文庫 二つの金琺瑯

現在、MIHO MUSEUMで開催されている「懐石の器」展(2022年3月19日〜6月5日)では、近衛家熙(予楽院)が催した茶懐石に因んだ展示コーナーが設営されています。 中でも特に目をひく器が「白磁無地金彩馬上盃」。 別名「金琺瑯」(きんぽうろう)、陽明文庫の所蔵…

狩野尚信 二条城 黒書院の障壁画

〈黒書院〉の桜と山水 ~対面所に見る和漢の競演~ ■2022年4月21日~6月19日 ■二条城障壁画 展示収蔵館 狩野尚信(1607-1650)は、狩野探幽(1602-1674)の5歳年下の実弟です。 あちらこちらに多くの作品を残した探幽に比べると、比較的若く亡くなったこともあっ…

藤原康博の青と飯川雄大の鞄

特別展 感覚の領域 今、「経験する」ということ ■2022年2月8日〜 5月22日 ■国立国際美術館 とても抽象的なタイトルが付けられた展覧会です。 「感覚」。「経験」。まるでカントやマッハ、ラッセルあたりが登場してきそうな、「哲学と美術」の開陳でも企図し…

森村泰昌の「迷宮」と「劇場」

森村泰昌:ワタシの迷宮劇場 ■2022年3月12日〜6月5日 ■京都市京セラ美術館 東山キューブ まさにタイトル通り、「迷宮」と「劇場」から成り立っている展覧会です。 会場入り口付近に森村泰昌自身が鑑賞者に宛てたメッセージが掲載されています。 「M式写真回…

LVMHのゲルハルト・リヒター

ゲルハルト・リヒター「Abstrakt」 ■2021年11月19日〜2022年5月15日 ■エスパス ルイ・ヴィトン大阪 ある日本の若手アーティストが「ゲルハルト・リヒターばかり高く売れるからウンザリする」とぼやいていたことをちょっと思い出してしまいました。 心斎橋のエ…

メゾン・エ・オブジェ @ 高島屋

デザイン・ダイアローグ メゾン・エ・オブジェ・パリ展 ■2022年4月28日〜5月9日 ■髙島屋京都店7階 メゾン・エ・オブジェ(Maison et Objet)はパリで原則毎年2回開かれているインテリアの大規模国際見本市です。 本展はそれをそのまま日本にもってきた、という…

旧今尾景年邸 (Machiya Vision)

KYOTOGRAPHIE2022と連動したMACHIYA VISIONという企画の一環で、久保家邸宅=旧今尾景年邸が公開されました(2022年4月27日〜5月8日)。 主催は公益財団法人 京都市景観・まちづくりセンター。 昨年2021年までこの屋敷では料亭「瓢樹」が営業していましたが、仕…

山元春挙 生誕150年 (滋賀県美)

生誕150年 山元春挙 ■2022年4月23日〜6月19日 ■滋賀県立美術館 滋賀県立美術館は、「滋賀県立近代美術館」時代から一貫して、山元春挙を積極的にとりあげています。 最初の滋賀県美による春挙展は1985(昭和60)年に開催された、「湖国が生んだ京都画壇の巨匠 …

HOSOO GALLERYの女性写真家特集(KYOTOGRAPHIE)

10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭 ■2022年4月9日〜5月8日 ■HOSOO GALLERY 今年も10を超える会場で展開されているKYOTOGRAPHIE。 それぞれにユニークな内容なのですが、中でも姉小路両替町のHOSOOギャラリーで開かれている女性写真家特集は、実質、今回の…

ポンペイ展の「決定版」とは?

特別展「ポンペイ」 ■2022年4月21日〜7月3日 ■京都市京セラ美術館 北回廊1階 今年1月、東京国立博物館から始まったポンペイ巡回展。現在、京都展が開かれています。 偶然でしょうけれど、同じ京都市美術館の北回廊2階では5月22日まで「兵馬俑展」を開催中。 …

両足院の奈良原一高 (KYOTOGRAPHIE)

奈良原一高 Ikko Narahara ジャパネスク 〈禅〉 ■2022年4月9日〜5月8日 ■両足院 現役で活躍している気鋭のフォト・アーティストたちの紹介が中心のKYOTOGRAPHIEですが、今年はギイ・ブルダン、アーヴィング・ペン、奈良原一高と物故した大家を3人もとりあげ…

大安寺展 Temple of Great Peace

特別展 大安寺のすべて ―天平のみほとけと祈り― ■2022年4月23日~6月19日 ■奈良国立博物館 大安寺は固有名詞なので英訳してもDaianji Temple、なのですが、奈良博はこの展覧会に"Temple of Great Peace , The World of Daianji and Buddist Art in Ancinent …

ギイ・ブルダン (KYOTOGRAPHIE)

ギイ・ブルダン Guy Bourdin The Absurd and The Sublime ■2022年4月9日〜5月8日 ■京都文化博物館 別館 会場となっている文博以外にも、京都駅前や大丸京都店の入口にギイ・ブルダンによる真っ赤な爪と唇の写真が大きく展示されています。 今年のKYOTOGRAPHI…

佐藤健寿の「境界」

佐藤健寿展 奇界/世界 ■2022年4月2日〜6月5日 ■西宮市大谷記念美術館 思わず、あっ、と声をあげてしまいそうになった写真がありました。 大山古墳、いわゆる伝仁徳天皇陵を非常に高い高度から細密に捉えた「百舌鳥古墳群」と題された一枚。 被写体自体はお…

マイムーナ・ゲレージ (KYOTOGRAPHIE)

マイムーナ・ゲレージ Maïmouna Guerresi Rûh|Spirito ■2022年4月9日〜5月8日 ■嶋臺ギャラリー 不思議に鮮烈な「葉っぱ+人」のイメージ。 ギイ・ブルダンの赤いマニキュア写真等と共に今年のKYOTOGRAPHIEを代表するキービジュアルの一つがマイムーナ・ゲレ…

パゾリーニ「王女メディア」2Kレストア版

ピエル・パオロ・パゾリーニ生誕100年を記念してリバイバル上映された「王女メディア」(Medea 1969)。 「テオレマ」に続き鑑賞しました。 www.zaziefilms.com 赤茶けた大地に飛び交う血と肉片。 映像を観ているだけで、口の中がカラカラと乾いてきそうなくら…

「最澄と天台宗のすべて」京博バージョン

伝教大師1200年大遠忌記念 特別展 最澄と天台宗のすべて ■2022年4月12日〜5月22日 ■京都国立博物館 昨年10月、東京国立博物館から始まった「最澄と天台宗のすべて」展。 九州国立博物館での展示を終え、京博での最終巡回展がスタートしています。 九博展まで…

ミホミュージアムの桜と漆

春季特別展「懐石の器 炉の季節」 ■2022年3月19日〜6月5日 ■MIHO MUSEUM MIHO MUSEUMの有名な紅枝垂桜の回廊。 今春は4月の第2週目あたりが見頃となったようです。 コロナの影響で今年も団体客をシャットアウトし、事前予約制を採用しているため、それなりに…

MEPコクレションのアーヴィング・ペン

Irving Penn: Works 1939–2007. Masterpieces from the MEP Collection ■2022年4月9日〜5月8日 ■京都市美術館別館 今年で10回目を迎えるKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭。 2020年と2021年はコロナの影響で9月-10月にずらして開催されましたが、今年から本来の春…

パゾリーニ「テオレマ」4Kスキャン版

ピエル・パオロ・パゾリーニ(1922-1975)の生誕100年を記念し、ザジフィルムの配給で「テオレマ」と「王女メディア」が3月から各地のミニシアターで上映されています。 「テオレマ」(Teorema 1968)をまず鑑賞してみました。 www.zaziefilms.com 4Kスキャン版…

渉成園 桜に浮かぶ異形楼閣

東本願寺の飛地境内である渉成園を「ショウセイエン」と言う京都の人はあまりいなくて、大概、「キコクテイ」(枳穀邸)と呼んでいます。 理由は、表向きにはかつてこの庭園が、枳穀、つまりカラタチで囲まれていたから、ということになっていますけれど、単に…

京都御所 御常御殿の京都画壇

京都御所、今年2022年、春の特別公開が4月6日から始まりました(4月10日まで)。 2年半もの修復期間を経て再公開された清涼殿が今回最大の話題となっています。 まだ左近の桜が咲いていますから多少混雑するかと思っていましたが、それほどでもありませんでし…

泉屋博古館の文人画特集

旅スル絵画 ― 住友コレクションの文人画 ■2022年3月26日〜5月15日 ■泉屋博古館 驚きました。岡崎の京都国立近代美術館で開催されている文人画特集展( 「サロン!雅と俗-京の大家と知られざる大坂画壇」3月23日~ 5月8日)でつい先日まで展示されていた沈南蘋…

新・泉屋博古館名品選

2022年3月、六本木一丁目の泉屋博古館東京(旧名 泉屋博古館分館)がリニューアルオープンしました。 おそらくこの機会にあわせたのでしょう。京都の出版社、青幻舎から『泉屋博古館 名品選99』(以下『名品選99』)が刊行され、店頭に並んでいます。 買ってみま…

大覚寺と未生流二代

春季名宝展「華と大覚寺」 ■2022年3月25日〜5月9日 ■大覚寺 宝物館 大覚寺 大沢池の桜が見頃をむかえています。 コロナで団体客等はまだ少ないだろうと見込み、この時季、いつもは避けている嵐山エリアへ久しぶりに足を運んでみました。 渡月橋や天龍寺近辺…

上田秋成自作の煎茶道具

現在、京都国立近代美術館では「サロン!雅と俗-京の大家と知られざる大坂画壇」と題された大規模な企画展が開催されています(2022年3月23日〜5月8日)。 www.momak.go.jp 木村蒹葭堂等を中心とした近世大坂の文人サロンが展覧会を構成する大きなテーマの一…

河原温の葉書

ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術 ■2022年3月26日〜5月29日 ■兵庫県立美術館 昨年10月、DIC川村記念美術館からはじまったMinimal/Conceptual展が、愛知県美術館を経て最終巡回地である兵庫県立美術館にやって…

アーティゾン美術館の平治物語絵巻

はじまりから、いま。1952ー2022 アーティゾン美術館の軌跡—古代美術、印象派、そして現代へ ■2022年1月29日〜4月10日 アーティゾン美術館が開館(2020年1月)から2周年を迎え、新旧織り交ぜた大規模なコレクション展を開催しています。 旧ブリヂストン美術館…

Chim↑Pomのカラス

Chim↑Pom展:ハッピースプリング ■2022年2月18日〜5月19日 ■森美術館 スマホの画面で予約したチケットを見ながらウロウロしていたら森美術館チケットセンターのスタッフさんから声をかけられてしまいました。「どの展覧会に行かれますか?」と。(注:この時は…