森田慶一 京都大学楽友会館

3月7日まで京都国立近代美術館で開催されている「分離派建築会100年」展。分離派建築会創立メンバーの一人である森田慶一の分離派時代を代表する建築の一つが東山近衛、京都大学吉田キャンパスに隣接する一角に残されています。 1925(大正14)年建造の京大楽…

STEPS AHEAD アーティゾン美術館新収蔵作品展示

STEPS AHEAD: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示 ■2021年2月13日〜5月9日 ■アーティゾン美術館 開館から1年。アーティゾン美術館、最新のコレクションを全館使ってたっぷり紹介する超拡大版常設展です。 いつもは企画展として使用される2つのフロアも含め…

百萬遍知恩寺 勢至堂

百万遍にある知恩寺の境内、巨大な御影堂の東側に勢至堂があります。浄土宗では宗祖法然を勢至菩薩の生まれ変わりとする信仰があり、知恩院にも同様の堂宇があります。 寺の説明(HP)では「寛文14年 1731年」の造営とありますが、「寛文」は13年まで(次は「延…

環翠楼 (神奈川県 箱根温泉郷・塔ノ沢温泉)

国道1号沿いにそびえる木造の楼閣。福住楼と共に塔ノ沢の風格を決定付けている温泉宿です。いかにもな老舗ですが、格式ばったところはなく、オフシーズンの平日であれば一人泊も歓迎される雰囲気。GoToトラベルで歪んだ料金の反動からか、結構安めの料金が設…

木村得三郎 弥栄会館

祇園の弥栄会館は1936(昭和11)年、木村得三郎の設計。木村はこの10年ほど前、1927(昭和2)年、先斗町歌舞練場の設計も担当。戦前の大林組で活躍した「劇場建築」の名手といわれる建築家。最も有名な現存作品は先斗町歌舞練場と大阪松竹座のファサードでしょう…

八木明「青白磁可変輪花香炉」

先日2月7日まで京都文化博物館で開催されていた「創立75周年記念 京都工芸美術作家協会展 ―煌・KIRAMEKI―」。陶芸に数々の優品がみられました。 八木明は1955(昭和30)年の生まれですから今年60代後半に入る京都在住の陶芸家。京都工芸美術作家協会には大ベテ…

反復する異形と豊穣 蓮華王院と伏見稲荷大社

スティーヴ・ライヒに代表れさるミニマル・ミュージックは単純化された音型の反復が生み出す不思議な中毒性を持っています。延々と繰り返される音のパターンは装飾性やストーリー性が極力排除されることで独特の美観を聴き手に与える効果を生み出す。「反復…

信田洋「蒸発用鉄瓶」(京都国立近代美術館)

信田洋(のぶた よう)は1902(明治35)年、日本橋に生まれた彫金家。1990(平成2)年に亡くなっています。「蒸発用鉄瓶」は1934(昭和9)年の帝展で特選となったこの工芸家、代表作の一つです。1962(昭和37)年、翌年の京都国立近代美術館開館にあわせて東京から移管…

高台寺茶室群と分離派建築会

現在、京都国立近代美術館で開催されている「分離派建築会100年」展(〜3月7日)。堀口捨己による「紫烟荘」が回顧されています。 1926(大正15)年、個人宅として建設されました。わずか2年後に焼失してしまいますが、その独特の造形が写真に記録されていて、今…

泉涌寺 水屋形

泉涌寺仏殿の東隣に「泉涌寺水屋形」(せんにゅうじみずやかた)があります。とても小さい建物。1668(寛文8)年、仏殿の再建とおそらく同時期に建てられたもの。 泉涌寺はかつて「仙遊寺」と称されていましたが、1226(嘉禄2)年、月輪大師俊芿(がちりんだいし・…

伊藤柏台「夜の六角堂」と昼の六角堂

現在、京都国立近代美術館のコレクション展(〜3月7日)で特集されている「描かれた建物」。田村宗立から下村良之介まで多彩な「建物」に関する作品が展示されています。 伊藤柏台(はくだい)は1896(明治29)年、京都に生まれた画家。甲斐庄楠音らと共に新樹社と…

國府理「水中エンジン」再制作プロジェクト (「平成美術」展より)

京都市京セラ美術館で開催されている「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ) 1989-2019)」展(〜4月11日)。 東山キューブの中に数多の作品が詰め込まれ、さらに各作品同志が剥き出しで隣り合っていたりしますから、見ようによってはまさに瓦礫の山。ただその中で…

ストゥールゴールズ&BBCフィル ショスタコーヴィチ交響曲第11番(CHANDOS)

Shostakovich 1905 -Sacd- アーティスト:BBC Philharmonic 発売日: 2020/04/17 メディア: CD ドミトリー・ショスタコーヴィチ: 交響曲第11番 ト短調 作品103 「1905年」 BBCフィルハーモニック 指揮: ヨン・ストゥールゴールズ (Chandos CHSA5278 2020年リリ…

国宝「日本書紀」と東アジアの古典籍 (京都国立博物館)

日本書紀成立1300年記念 特集展示 国宝「日本書紀」と東アジアの古典籍 ■2021年2月4日〜28日 ■京都国立博物館 720(養老4)年に編纂されたとされる日本書紀。昨年2020(令和2)年はこの文書成立から1300年の記念イヤーだったことになります。京博は日本書紀の写…

清水九兵衛「朱態」(京都市京セラ美術館「天の中庭」)

京都市京セラ美術館の南回廊はこの美術館の館蔵品をコレクション展として季節毎に披露するエリア。企画展を主に開催する北回廊とほぼ相似形をなして向き合っています。 北回廊の中庭は「光の広間」と名付けられガラスの天井が張られていますが、南回廊の「天…

中村裕太と石黒宗麿 (京都国立近代美術館)

エデュケーショナル・スタディズ02:中村裕太 ツボ_ノ_ナカ_ハ_ナンダロナ? ■2020年12月24日〜2021年3月7日 ■京都国立近代美術館 食器などの陶器は日常生活の中に溶け込みすぎていて、意識的にとらえない限り、空気と同じような存在。しかし、突然その物質…

清水卯一「青瓷大鉢」(京都国立近代美術館)

現在、京都国立近代美術館で展示されている「2020年度第4回コレクション展」(3月7日まで)。清水卯一の「青瓷大鉢」が展示されています。1973(昭和48)年の製作。第2回日本陶芸展に出品された後、翌1974(昭和49)年度、早速に京都国立近代美術館が買い上げた作…

木子清敬・伊東忠太・佐々木岩次郎 平安神宮

平安神宮神門の入口西側に京都市が立てたこの神社の由緒書があります。以下に抜粋引用してみます。"平安京奠都の延暦十三年(794)より千百年にあたる明治二十八年(1895)、桓武天皇を祭神として創建された。紀元二千六百年にあたる昭和十五年(1940)には、平安…

慶野ことり「割れ野のはな」(京都工芸美術作家協会展より)

創立75周年を記念して2月7日まで京都文化博物館で開催されていた「京都工芸美術作家協会展」。 大家から中堅若手まで実に幅広い作品が展示され、見応えのある記念展でした。 慶野ことりは工芸美術創工会に所属する陶芸家。詳しい来歴はわかりませんが、1996…

「京都と大火」展と大報恩寺(千本釈迦堂)

北大路の大谷大学博物館で「京都と大火」と題された展覧会が開催されています(2021年1月27日〜2月26日 無料・事前予約制)。 「伴大納言絵詞」で有名な応天門炎上事件から幕末元治の大火まで、京都を襲った炎のカタストロフ史を、主に江戸時代の文書などを手…

沼野雄司『現代音楽史』(中公新書)

現代音楽史-闘争しつづける芸術のゆくえ (中公新書, 2630) 作者:沼野 雄司 発売日: 2021/01/18 メディア: 新書 ■沼野雄司著『現代音楽史 闘争しつづける芸術のゆくえ』(中公新書) この「現代音楽史」がとてもわかりやすく秀逸と思えるのは、音楽の「創り手」…

肥後亮祐「Null Island」 (Kyoto Art for Tomorrow 2021)

この星はかなり以前から「地点」が微細に数値化されていて、デジタルマッピングにより電子の地図が描けるようになっています。 細分化されたデジタル座標によって地球上のあらゆる場所・地点を、緯度と経度の組み合わせにより明示することができる。「Null I…

高嶺格「118の除夜の鐘 」(Kyoto Art for Tomorrow 2021)

(ご注意: この作品は事前情報を得てから体験すると、ネタバレというレベルを超えて、作品との関係が変わってしまう可能性があります。以下にはかなり事前情報が含まれます。というこのコメント自体がすでに事前情報の一種かもしれませんね。ごめんなさい。) …

「新聞人のまなざし 上野有竹と日中絵画の名品」(京都国立博物館)

仏教美術研究上野記念財団設立50周年記念 特別企画 「新聞人のまなざし 上野有竹と日中絵画の名品」 ■2021年2月2日〜3月7日 ■京都国立博物館 朝日新聞社の実質的な基礎を村山龍平と共に固めた上野理一(有竹)。その収集品を回顧する特別企画。平成知新館の2階…

相国寺・金閣・銀閣 宝物展 (相国寺承天閣美術館) 

相国寺・金閣・銀閣 宝物展 梅の余薫/相国寺の歴史と秘宝 ■2021年1月31日〜4月18日 ■相国寺承天閣美術館 歴史教科書でお馴染みの足利義満像。威厳というよりなんとなく愛嬌が漂う、垂れ目が印象的なこの肖像画が今回の企画展ポスターに採用されています。 2…

北澤憲昭『眼の神殿』(ちくま学芸文庫)

眼の神殿 ――「美術」受容史ノート (ちくま学芸文庫) 作者:憲昭, 北澤 発売日: 2020/12/14 メディア: 文庫 ■北澤憲昭著『眼の神殿 - 「美術」受容史ノート』(ちくま学芸文庫) 美術の授業でひどく劣等感を埋め込まれたような人は別にして、「美術」という言葉…

松坂屋本店 (神奈川県 箱根温泉郷 芦ノ湯温泉)

リニューアル後、かなりお値段の高い宿になってしまったのですが、箱根の中でもとびきりユニークで麗しいその湯質の魅力に負けてしまい、結局毎年のようにリピートしている宿です。 箱根湯本からバスで約40分ほど。最寄りのバス停は「東芦ノ湯」。もう一つ先…

異形閣三態(金閣・銀閣・銅閣?)

八坂神社のすぐ近くに聳える伊東忠太の「祇園閣」。このコンクリート塔がもつ不気味に異形な魅力についてはすでにふれました。祇園閣を建てた明治の大実業家・大倉喜八郎は、おそらく洒落のつもりで言ったのでしょうが、この銅の屋根を持つ望楼を「金閣・銀…

八木一夫「白い箱 OPEN OPEN」(京都国立近代美術館)

現在、京都国立近代美術館では「2020年度第4回コレクション展」が開かれています(3月7日まで)。 陶芸家石黒宗麿が特集されています。それに因んで、石黒と親交があった作家による館蔵工芸作品がいくつか展示されています。北大路魯山人、清水卯一、八木一夫…

知恩院 勢至堂

勢至堂は知恩院境内の最も奥まったところにあります。江戸初期に建てられた有名な国宝の三門、御影堂の荘重さはありません。中規模の入母屋造り。地味ながら桃山前の古式を伝えている貴重な重要文化財。1530(享禄3)年の建造。室町幕府第十二代将軍足利義晴の…