2020-01-01から1年間の記事一覧
もののけの日本史-死霊、幽霊、妖怪の1000年 (中公新書) 作者:小山 聡子 発売日: 2020/11/20 メディア: 新書 ■小山聡子著 『もののけの日本史 死霊、幽霊、妖怪の1000年』(中公新書) 著者によれば「六条御息所のモノノケ」という言い方は本来、間違いなのだ…
刀屋は、おそらく、上田で一番有名な蕎麦屋でしょう。昼時はいつも行列です。でもコロナの影響なのか、11月下旬平日12時半くらいに訪れたところ、前に2人ほどしか並んでいませんでした。もともと狭い店内では机の位置を工夫するなどしてコロナ対策。大変そう…
この旅館の「大理石風呂」。まるで工芸品の中で湯浴みするような気分を味わうことができます。ここ数年、リピートしています。今回で通算5回目の投宿です。 www.hanaya.ne.jp 花屋へのアクセスは簡単です。別所温泉駅から徒歩5,6分。やや坂ではありますが、…
様々な意味で「孤高の塔」ともいうべき安楽寺の国宝です。 塩田平一帯は「信州の鎌倉」といわれますが、五山の堂塔が立ち並ぶ鎌倉とは規模がまったく違いますから、観光地のキャッチフレーズとしてみて場合、やや誇張が入っているようにも感じます。しかし、…
年に一度は入りたくなる温泉があって、別所温泉の大師湯もその中の一つです。 今年もなんとか湯浴みすることができました。 「大師湯」「大湯」「石湯」と別所温泉には三つの共同浴場があります。 すべて入ったことがありますが、大師湯は中でも特級の湯質を…
企画展「ほとけと神々大集合 岡山・宗教美術の名宝」 ■2020年11月21日〜2021年1月24日■龍谷ミュージアム 岡山県立博物館は1971(昭和46)年の開館からまもなく50周年を迎えます。 収蔵品の増加で余裕がなくなってきたことや建物の老朽化対策もあって、現在修復…
並河靖之七宝記念館 秋季特別展 並河七宝の開花 ■2020年9月4日〜12月13日 今回の特別展ポスターに配されている「鳳凰文食籠」は並河靖之が最初の作品として認めたものなのだそうです。1873(明治6)年の作です。 当時並河が仕えていた久邇宮朝彦親王に献上され…
いのりの四季 ー 仏教美術の清華 ■2020年11月1日〜2021年1月17日■相国寺承天閣美術館 今回の相国寺コレクション展、見所は大きく二つと感じました。 一つは後水尾院と相国寺の密接なつながりを物語る品々です。後水尾天皇(1596-1680)というとすぐに修学院離…
■アウステルリッツ (2016) 監督: セルゲイ・ロズニツァ www.sunny-film.com 元強制収容所であるザクセンハウゼン追悼博物館を訪れる無数の観光客たち。 彼ら彼女たちをただひたすら映像におさめた、それだけの作品です。 約1時間半。 全編モノクロです。 現…
■国葬 (2019) 監督: セルゲイ・ロズニツァ あっけなく始まり、壮大に苦味ばっして終わる135分。 ロズニツァ編集によるスターリン葬送行進絵巻です。 スターリン死去に際して企図された国策映画「偉大なる別れ」。 その制作のため、200人を超えるカメラマンが…
■粛清裁判 (2018) 監督:セルゲイ・ロズニツァ 終始モノクロで、2時間以上かかります。 職業俳優は登場せず、ナレーションも一切ありません。 でも、映像と音響の圧倒的な存在感に不思議と引き込まれてしまう。 ドキュメンタリー映画の体裁を取りながら、虚実…
河原町今出川の北村美術館、秋季展示は「閑雅」と題され12月6日(2020年)まで開催されています。9月5日からはじまっている展覧会ですが、晩秋をイメージしたというこの企画が映えるのはまさに今でしょう。ロビーからのぞむ「四君子苑」の紅葉が見頃をむかえて…
第五十八代光孝天皇崩御1133年記念事業 仁和寺霊宝館秋季名宝展 ■2020年9月19日〜12月6日 仁和寺霊宝館の主役、国宝 阿弥陀三尊(阿弥陀如来坐像及び両脇侍立像)は、888年(仁和4年)の創建当時から伝わる仏像といわれています。 本尊阿弥陀如来は一見すると定…
コレクションルーム 秋期 ■2020年9月26日〜11月29日 ■京都市京セラ美術館 本館南回廊1階 リニューアルされた京都市美術館では年に4回、コレクションルーム展と題して、いわゆる常設展を開催しています。 秋期展はまさに「秋」そのものをテーマとしていくつか…
酒井健著『ロマネスクとは何かー石とぶどうの精神史』(ちくま新書) ロマネスクとは何か ――石とぶどうの精神史 (ちくま新書) 作者:健, 酒井 発売日: 2020/10/09 メディア: 新書 バチカンのサン・ピエトロ大聖堂を一度だけ訪れたことがあります。 聖堂内にある…
現在、京都市京セラ美術館で開催されている「KYOTO STEAM スタートアップ」展(2020年 10月31日〜12月6日)ではアーチストや芸術系大学が、企業や研究機関とコラボした大規模作品が紹介されています。「細胞とガラス」は、映像作家の林勇気が京大iPS細胞研 (Ci…
森口邦彦展記念講演会「フランスに留学して」 ■2020年11月15日(日)午後2時~午後3時30分■京都国立近代美術館 1階講堂 染織家、森口邦彦の講演会が京都国立近代美術館で開催されました。現在同館で開催されている彼の展覧会に関連した企画です。 記念講演会…
京都dddギャラリー第226回企画展 食のグラフィクデザイン ■2020年10月17日〜12月19日 野菜というものはそれ自体で美しいデザインをもっています。 展覧会の冒頭でまず紹介されるのは大橋正や浅葉克巳等、大家といえるグラフィックデザイナーたちによって写し…
特別企画展 小野竹喬・春男 父と子の切ない物語 ■2020年10月6日〜11月23日■京都府立堂本印象美術館 小野竹喬(1889-1979)の戦後、主に1950年代以降の作品がまとめて展示されています。 彼の息子春男のあまりにも早い晩年の作品と共に竹喬老年期のスタイルを回…
事前予約制による秋季特別展MIHO MUSEUM コレクションの形成:日本絵画を中心に ■2020年9月1日〜12月13日 ミホミュージアムは信楽の山奥にあるためアクセスが結構大変そうに思えますが、意外と公共交通機関でも簡単に到達することができます。JRまたは京阪の…
11月10日から「京都の美術 250年の夢」展の実質的な後期展示が始まっています。前期と大きく入れ替わるのは第1部「 江戸から明治へ:近代への飛躍」と第2部「明治から昭和へ:京都画壇の隆盛」。 特に日本画は総入れ替えに近い規模です。 kyotocity-kyocera.mu…
建築家 瀧光夫の仕事 緑と建築の対話を求めて ■2020年3月23日〜12月12日■京都工芸繊維大学 美術工芸資料館 2016年に80歳で亡くなった瀧光夫(1936-2016)の足跡をたどる企画です。オリジナルの設計図に加えて模型、写真パネルなどで構成されていますが、瀧の自…
人間国宝 森口邦彦 友禅/デザイン-交差する自由へのまなざし ■2020年10月13日〜12月6日 ■京都国立近代美術館 幾何学的文様は工芸と相性が良いデザイン。古くて新しい図柄であり、例えば、先日パナソニック汐留美術館が開催した「和巧絶佳」展で、ひときわ充…
開館60周年 記念名品展II 「泉屋博古」住友コレクションの原点 ■10月30日〜12月6日■泉屋博古館 鹿ヶ谷の泉屋博古館が開館60周年を記念して開催している企画展の2回目。今回は住友友純(春翠)の長男、住友寛一(1896-1956)による中国絵画コレクションが特集され…
生誕110年記念 異才 辻晉堂の陶彫 ■2020年10月31日〜11月23日■美術館「えき」KYOTO辻晋堂(1910-1981)の京都時代を回顧する展覧会です。 入り口の案内板にびっくりしました。明日11月8日の「日曜美術館」でこの作家が特集されるそうです。 今日は雨。濡れたく…
京都国立近代美術館の4階、コレクション展示室で須田国太郎が特集されています。(キュレトリアル・スタディズ14 2020年10月8日〜12月20日) 傑作が多い画家ですが、ちょうど、現在、京近美向かいの京都市京セラ美術館で開催されている「京都の美術 250年の夢…
11月23日まで京博で開催されている「皇室の名宝」展。 後期の展示が始まっています。 www.kyohaku.go.jp ほとんど前期から作品が入れ替えられたと言っても良い内容です。 一応通期展示とされている「蒙古襲来絵詞」も、前期は最も有名なモンゴル軍との戦闘場…
ヘンデル 「水上の音楽」「王宮の花火の音楽」 ル・コンセール・デ・ナシオン指揮: ジョルディ・サヴァールAV SA 9860 (ALIA VOX) SACDハイブリッド これほど壮麗で官能的な「水上」も「花火」もないと思います。 元はアストレ・レーベルからリリースされて…
「博士と狂人」(ポニー・キャニオン配給) 出演: メル・ギブソン ショーン・ペン ナタリー・ドーマー エディ・マーサン、スティーヴ・クーガン他監督・脚本: P.B シェムラン辞書作成モノ、という映画ジャンルがあるわけではありませんが、この国では「舟を編…
秋期特別展 樂歴代 -桃山、令和 紡ぐ茶碗- ■2020年9月12日〜12月24日■樂美術館 樂家の当主たちは一子相伝でその芸を受け継いでいくそうですが、肝心ともいえる釉薬については親から子への伝授をあえて行わないのだそうです。 釉の技はそれぞれの当主が独自に…